マクラーレン・オートモーティブの最新ハイパフォーマンスカー『マクラーレンP1』が28日、日本国内で初めて公開された。MP4-12C、MP4-12Cスパイダーに続くマクラーレンの市販ロードゴーイングカーの第3弾となるモデルだ。
F1マクラーレンの関連会社であるマクラーレン・オートモーティブが手がけたP1は、マクラーレンのロードゴーイングカープロジェクトの第3弾となるモデルで、軽量化とパフォーマンス向上が随所において目指されており、マクラーレンのF1での経験が活きているのは言うまでもない。
「野生界で言えばチーターのような存在」という風貌を持つそのボディは、1993年に発売されたゴードン・マーレイデザインの『マクラーレンF1』と、2008年のF1チャンピオンマシン『MP4-23』をイメージし、デザインされたものだという。
カーボンファイバー製のボディは高い剛性を兼ね備えつつも、ロードカー史上最軽量クラスで、エンジンへのエアインテーク等も含めても90kgしかない。この軽量ボディにパワフルな3.8リッターV8ツインターボエンジンと、F1に使われるKERSの2倍以上の出力を持つモーターとが搭載され、300km/hまでの加速が17秒未満(マクラーレンF1より約5秒短縮)という恐るべき加速性能を発揮する。
ただ加速するだけではない。F1マシン同様に風洞やCFD(計算流体力学)を駆使し、エアロダイナミクスも徹底的に開発。リヤウイングはもちろん、ボディ各所のエアロガジェットやディフューザーなどにより、最大600kgというダウンフォースを発揮する。最高速時にはダウンフォース量はあまり意味をなさないため、リヤウイングにはこちらもF1同様DRS(ドラッグ・リダクション・システム)が装備され、ダウンフォースを削減する。
これほど高いパフォーマンスを出すためには、優れたブレーキシステムも必須。マクラーレンP1には、F1同様となる曙ブレーキ工業製のキャリパーとカーボンセラミック・ディスクが装備され、2Gの減速Gに耐えることができる。これは、ル・マン24時間に出場するレーシングカー同様の数値とのことだ。
マクラーレンが「オンロードおよびサーキットにおける世界最高のドライバーズカー」として送り出すP1。その性能通り、日本国内での販売価格も9,661万5,000円(税込)とケタはずれ。生産台数は限定375台である。