ジュネーブ国際モーターショー
2016年3月
新型「Golf GTI Clubsport」
Golf GTI 40周年のアニバーサリーモデル
最高出力290PSを発生する「Golf GTI Clubsport」
「Golf GTI Clubsport」は0〜100km/hを6.3秒で加速
ブースト機能により出力を一時的に265PSから290PSに強化
「Golf GTI Clubsport」に関する10の特徴
1.発表:「Golf GTI Clubsport」により、フォルクスワーゲンはアイコンモデルである「GTI」の生誕40年を祝福。
2.パワフル:このアニバーサリーモデルは標準モードにおいて195kW/265PSの最高出力と350Nmの最大トルクを発生。
3.よりパワフル:ブーストモードに入れると、一時的に213kW/290PSの最高出力と 380Nmのトルクに強化。
4.俊足:「Golf GTI Clubsport」は0〜100km/hを6.3秒で加速、最高速度は250km/h。
5.エアロダイナミクス:新しいフロントバンパー、リヤスポイラーやディフューザーなどにより、レーシングカーのようなダウンフォースを発生。
6.モータースポーツ技術:DSG仕様はローンチコントロール機能を搭載。オプションでセミスリックタイヤも装着可能。
7.人間工学:スポーツバケットシート(ドイツ仕様)あるいは伝統的な GTI スポーツシートを採用。
8.存在感:史上最強のGTIは、2 トーン塗装が標準(ドイツ仕様)。
9.成功:現在まで7世代に渡って総販売台数 200 万台以上を数えるゴルフGTI。初めはわずか 5,000台の生産計画。
10.伝統:ゴルフGTIのアニバーサリーモデルはこれまで20周年、25周年、30周年、35周年という節目に登場。
ウォルフスブルグ/ジュネーブ21016年3月
コンパクトスポーツカーのアイコン、ゴルフGTIが40周年を祝います。すべての始まりは1976年でした。当初、GTIの生産予定台数は、わずか5,000台でした。しかし実際は、今日までに200万台以上が生産されてきました。その多くがクラシックカーの仲間入りを果たしています。GTIは、クルマに対する情熱を具現したコレクターズアイテムなのです。それが他の同セグメントのクルマには真似できないGTIが誇る巨大なファンのベースとなっています。「Golf GTI」のコンセプトは、7世代をかけて熟成されてきました。GTIに乗る人は、このクルマを選択した理由を説明する必要はありません。クルマ自体が、その存在意義を表現しているからです。これほどまでに有名になったモデル名称はほとんどありません。また、「GTI」や「ターボ」ほど、高性能の代名詞となっているものもなかなか類を見ません。誰もが、この名前が示すモデルとブランド名を認識することができます。GTIとは、多くの人々の手が届く夢のクルマでもあります。その40周年を記念し、フォルクスワーゲンは特別なアニバーサリーモデル、GTI史上最高にパワフルな「Golf GTI Clubsport(ゴルフGTIクラブスポーツ)」を発表します。
ブースト機能
ターボチャージャーの付いた直噴エンジンは、195kW/265PSを発生、現在最もパワフルな「Golf GTI」(「Performance」)よりも35PSも強化されています。しかも、それだけではありません。ブースト機能を活用すれば、短時間ですが、最高出力を10%近く増強し、290PSにまで引き上げることが可能になったのです。このブースト機能は、アクセルペダルをキックダウンするだけで起動します。従来より性能の指標とされている「0〜100km/h加速」と「最高速度」はクルマのダイナミックポテンシャルを語っていますが、「モデルのさらに重要な特徴は、強大なトルクです。このトルクは、エンジン回転数と車両速度のほぼ全域にわたって発生し、素早い加速を実現します。
クラブスポーツのダイナミズム
フォルクスワーゲンは、このアニバーサリーモデルに搭載したターボエンジンを、よりパワフルにしただけでなく、デザイン、装備、エアロダイナミクスも再設定しています。「Golf GTI Clubsport」は、まったく新しいフロントバンパーに加え、新しいサイドシルとリヤディフューザー、複数パーツから構成されるルーフスポイラー、専用の鍛造アルミホイールなどを特徴としています。その主な目的は、ただ単に視覚的にスポーツカーをカスタマイズするというより、ダウンフォースを向上させ、ダイナミックなパフォーマンスを引き上げることでした。それは、フォルクスワーゲンにおける長い伝統といえるでしょう。こういった「GTI」の記念モデルは20周年、25周年、30周年、35周年という節目に発売され、コレクター達から大切にされてきました。今回登場する「Golf GTI Clubsport」も、まさに未来のクラシックとなるにふさわしい可能性を秘めています。ドイツ国内のスターティングプライスは、34,500ユーロです。
ドライブトレイン-ブースト機能付きターボエンジン
290PSを発生するターボエンジン
「Golf GTI Clubsport」に搭載されるエンジンは、「Golf R」に搭載されている1,984ccTSIエンジンをベースとし、5,350〜6,600rpm間で195kW/265PSを発生します。この第3世代のEA888エンジンでは、ターボチャージャーへの水冷エキゾーストチャンネルがシリンダーヘッドに一体化され、デュアルカムシャフト調整によりバルブタイミングは可変式となっています。「Golf R」では、エンジンパワーは全輪駆動システムを介し前後輪に伝達されます。「Golf GTI Clubsport」では、マニュアルギアボックス、もしくはDSGを経由し、前輪のみにパワーが伝達されます。GolfGTIならではのこの軽量な前輪駆動システムは、電子制御式フロントディファレンシャルロックおよびXDS+により、すばらしい俊敏さを実現しています。ブースト機能により、265PSの最大出力は約10%ほど引き上げられ、213kW/290PSにまで一時的に増強が可能です。最大トルクも、350Nmから380Nm(1,700〜5,300rpmの間)にまで引き上げられます。すなわち、新型「Golf GTI Clubsport」は、10PSの差を除けば「Golf R」とほぼ同様なパワーレベルを備え、最大トルクではまったく同じ数値を発生しているのです。
ローンチコントロール機能付きDSG
DSG仕様は、ローンチコントロールが標準装備されます。レーシングカーと同じく、「Golf GTI Clubsport」は停止状態から、290PSの最高出力を最大限に活用して発進することができます。
燃料消費量、CO2排出量、車重
マニュアルギアボックスを選択した場合、「Golf GTI Clubsport」はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)で7.0l/100km(CO2排出量:162g/km)の燃料消費量を達成しています。トランスミッションがDSGの場合、数値はそれぞれ6.9l/100km(CO2排出量:158g/km)となります。マニュアルトランスミッション仕様の空車車重は1,375kg、DSG仕様は1,395kgです。
ランニングギア-ハンドリング特性の再チューン
ランニングギアの仕様
過去のGTIと同様、「Clubsport」もまた、ライドハイトを15mm引き下げたスポーツシャシーを標準装備しています。フロントではマクファーソンサスペンションが精密なトラッキングを提供し、リヤにはモジュラーパフォーマンスサスペンションを採用しています。フロントディファレンシャルロック、XDS+、プログレッシブステアリング(ステアリングホイールの切り角を大幅に削減)などを標準搭載する「Golf GTI Clubsport」は、俊敏で安全なドライビング特性を備え、はるかに高額なスポーツカーと肩を並べる存在となっています。
フロントディファレンシャルロック
電子制御によるフロントディファレンシャルロックは特筆に値します。機械式ロックと比較すると、「Golf GTIClubsport」に搭載されたものはロックが可変式となっており、ESC、EDS、XDS+の各機能と統合が図られています。機械式ロックにつきもののステアリングレスポンスおよび精度の問題がまったく発生しなくなりました。その結果、システムは車両ダイナミクスの面において、ディファレンシャルロックのポテンシャルを最高に引き出しています。あらゆる状況において、快適性はいっさい犠牲になっておらず、パワーの損失もありません。
ESCスポーツ
「Golf GTI」の全3グレード(ベース仕様、Performance、Clubsport)には、経験豊かなドライバー向けの「ESCスポーツ」機能が搭載されています。このシステムは、センターコンソールに設置した2ステージのスイッチによって起動します。短く押すと、エレクトロニックスタビリティコントロール(ESC)は「ESCSport」モードに移行します。サーキットなど、カーブを高速で駆け抜ける時にはESCの介入が遅くなるため、より俊敏なハンドリング特性が得られます。スイッチを3秒以上長押しすると、ESCは完全にキャンセルされます。サーキット走行時にこの設定にすると、いっさい電子的な介入は発生しませんので、ドライバーの責任において「Golf GTI Clubsport」の性能を限界まで引き出すことが可能になります。また、ESCの起動やキャンセルは、センターコンソールのプッシュボタンスイッチに加え、CARメニュー経由でも可能です。
18インチまたは19インチアルミホイール
このクルマのパワーは、225/40タイヤを装着する18インチのホイールを経由して路面に伝達されます。専用の“Belvedere”鍛造ホイールは、従来型のアルミホイールより1本あたり3kgも軽量です。車重が削減されるばかりでなく、バネ下荷重も小さくなりますので、走行特性にも好影響をもたらします。新型「Golf GTI Clubsport」はまた、オプションとして、225/35タイヤを履く19インチの“Brescia”アルミホイールも装着することができます。また、幅8インチの“Pretoria”リムに、公道走行可能な235/35R19のセミスリックタイヤを装着することも可能です。
エクステリア-入念に練りこまれたエアロダイナミクス
Clubsportデザイン
「Golf GTI Clubsport」専用に、フォルクスワーゲンのエクステリアデザイナーは、まったく新しいフロントバンパー、新しいサイドシルとリヤディフューザー、複数パーツから構成される新しいルーフスポイラー、専用の鍛造アルミホイールなどを製作しました。その目的は、アニバーサリーモデルを視覚的にカスタマイズすることだけではなく、ダウンフォースを向上させ、ダイナミックなハンドリングを可能にすることも目標としていました。
フロントエンド
デザイナーはフロントバンパーを一新しました。この新しいデザインはエンジンへの空気の供給量を向上し、フロントの空力性能とダウンフォースを引き上げます。新しいバンパーは、光沢ブラックに仕上げられたエアデフレクターエレメントを備えています。このエレメントは、3本のバーが導く形で、エアフローの一部を、左右に設置された絞りこまれた形状のエアダクト(エアカーテン)に取り入れてバンパーの中に導きます。これによって、バンパーおよびフロントホイール周辺の気流が最適化されました。取り入れられた空気は、ホイールに直接当たることなく、ホイールハウジングから排出されます。バンパー下には、鋭いスプリッターとして設計された、光沢ブラック仕上げのフロントスポイラーが設置されています。このスポイラーは、フロントアクスルのダウンフォースを最適化する役割を担っています。レーシングカーのようなスタイルを与えられたスプリッターは、ラップアラウンド型デザインとなっており、シルエリアとリヤセクションにつながっています。
サイドプロフィール
「Golf GTI Clubsport」のサイドプロフィールは、初期GTIバージョンが備えていたスタイルを踏襲しています。第一世代のGTIは、バンパーのレベルでフロントとリヤのホイールアーチをつなぐ幅の広いブラックのトリムストライプが特徴の1つとなっていました。今回のアニバーサリーモデルでは、1976年型ゴルフGTIへのトリビュートとして、このストライプがサイドエリアに移植され、CLUBSPORTのエンブレムが設置されます。ブラックのトリムストライプは、フロントバンパーのエアデフレクターエレメントへとつながっています。また、光沢のあるドアミラーキャップもブラック仕上げとなっています。「Golf GTI Clubsport」専用にデザインされた18インチの鍛造アルミホイールもまた、カスタマイズされたアイテムのひとつです。
リヤスポイラー
風洞実験により空力性能を磨きこみ、デザインを一新したルーフエッジスポイラーは、現行のGTIに搭載されているスポイラーよりも、さらに大型化されています。オールブラックのルーフエリア(このカラー選択した場合)とスポイラーの間には狭いエアギャップがあり、ウイングのようなスポイラーはルーフのリヤエンドいっぱいに広がります。2つのパーツからなるルーフエッジスポイラーは、ルーフラインから上に跳ね上がります。側面から眺めると、このスポイラーは光沢ブラックに仕上げられたテールゲートのフラップと融合して見えます。この種のスポイラーは、目標とされたエアロダイナミクス機能を完璧に実現する複数のコンポーネントから構成されます。これによって、リヤアクスルにかかるダウンフォースが大幅に向上しました。
リヤディフューザー
リヤボディの下部もまたカスタマイズされました。斜め後方から見ると、ラップアラウンドスプリッター(シルの下)は光沢ブラック仕上げを施された、新開発の大型リヤディフューザーへとつながっています。ツインパイプエキゾーストシステムに設置され、設計が見直されたクローム仕上げのテールパイプは、ディフューザーとエレガントに融和しています。LEDリヤライトは、ダークブラック・レッドとなっています。
インテリア-GTIらしさをグレードアップ
カスタマイズされた空間
インテリアも、フォルクスワーゲンゴルフGTIらしい基本ディティールにあふれています。その一例は、(「Clark(クラーク)」デザインの)タータン柄を採用したテイラーメイド調のエルゴノミックスポーツシート、レッドのステッチ、ゴルフボール風のシフトノブ、ブラックのヘッドライナーなどです。GTIらしいスポーティさの証は、クラブスポーツ用にカスタマイズもしくは手直しを受けています。このアニバーサリーモデルは部分的にアルカンターラを使用したスポーツシートを採用しており、バックレストとシートクッションにはハニカムパターンを使っています。バックレストにはGTIバッジも装着されています。ドイツ国内において、「Golf GTI Clubsport」はスポーツバケットシートを標準装備して販売されますが、追加料金なしで標準のGTIスポーツシートに変更することも可能です。シートベルトに配されたレッドのラインは、際立ったスタイルを演出しています。インテリアが醸し出すハイクラスな印象は、ダッシュボードとドアに採用された「Honeycomb(ハニカム)40」デザインと、センターコンソールおよびインストルメントパネルに採用された「ピアノブラック」のエレガントなアクセントによって強調されています。スポーティな装飾要素としては、シフトレバー回りに使用したアルカンターラのトリム、新しいギアシフトノブ、きわめて握りやすいアルカンターラ張りのスポーツステアリングホイール(GTIエンブレム、赤いステッチ、12時マーク入り)、赤く縁どりされた専用フロアマットなどが挙げられます。ドライバーや助手席乗員がドアを開くと、ステンレスのドアシルプレートに刻まれたGTIというレッドのレタリングが目に飛び込んできます。