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F1ニュース

投稿日: 2010.02.07 00:00
更新日: 2018.02.15 17:58

【ブリヂストン・モータースポーツ】バレンシアテストの概要/2010年シーズンプレビュー


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ブリヂストン・モータースポーツ バレンシアテストの概要/2010年シーズンプレビュー
(2010年2月4日)

F1世界選手権の公式タイヤサプライヤーを務めるブリヂストンは、全長4.05kmのバレンシアサーキット(スペイン)で、2010年シーズンに向けて行われていた3日間におよぶ1回目の合同テストを終了した。

この合同テストは、チーム、ドライバー、関係者にとって、ブリヂストンが今シーズン用に開発した幅の狭い新ポテンザF1フロントタイヤの最終スペックを実際に目にする初めての機会となった。サイズが245/55R13の新フロントタイヤは、リム組みした状態で2009年スペックよりも20mm幅が狭く、 2009年シーズン前に溝付タイヤからスリックタイヤに変更されたことによるF1マシンの車体バランスの変化を修正するよう設計されている。

F1 レース全19戦用にブリヂストンが用意したドライタイヤコンパウンドは、昨年と同じ4種類(ハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフト)でレースウィークエンドごとにこの中から2種類を選ぶ。ブリヂストンは今週のバレンシアテストで各チームに2010年用ドライタイヤ4種類の中からソフトとスーパーソフトの2種類と、現行スペックのインターミディエイト、ウェット両タイヤを用意した 。

2月1日〜3日の日程で行われたテストには7チームが参加し、3日間とも好天に恵まれた。

ポテンザF1タイヤは、 2月10日〜13日にヘレスで開催予定の次回の合同テストに再び登場する。このテストには、今シーズン新たに参戦する4チームの中からテストに初めて参加するヴァージンレーシングなど、合計10チームが参加を予定している。ヘレスではその翌週の2月17日〜20日にも4日間の合同テストが行われ、そのテストにはロータスレーシングも参加する予定である。ヘレスでの2回のテストでは、インターミディエイトとウェットタイヤに加えて、ドライ用ミディアムコンパウンドを中心にテストが行われる予定である。いずれのテストでもチームは追加オプションとしてハード、ソフト両コンパウンドを使用することができる。

−バレンシアテスト用に用意したのはどのコンパウンドですか?その理由についても教えてください。
「バレンシアにはドライ用コンパウンドの中からソフトとスーパーソフト、そしてインターミディエイト、ウェットのスペックを用意しました。バレンシアは、路面はやや粗いものの他のコースほどタイヤに厳しくないため、ソフト側のコンパウンドを使うことができるコースです。その一方で、バレンシアで興味深い要素のひとつは、横Gによって発生するフロントタイヤのグレーニングであり、私たちにとってはフロントタイヤの耐グレーニング性能の評価に適したコースといえます。これはチームが来週テストを行うヘレスサーキットとは対照的です。ヘレスは特にリアタイヤに厳しいコースなので、次のテストではリアタイヤのパフォーマンスについてもっと徹底した確認作業を行うことができるでしょう」

−今年初のテストには7チームも参加しました。このテストでわかったことは何ですか?
「第一に2010年用スペックの良好なポテンシャルを確認できたことをうれしく思います。バレンシアサーキットは特殊なコースですから、本当のパフォーマンスを判断するのは少し難しいのですが。それでも、これまでのところタイヤは私たちの予想通りのパフォーマンスを発揮しています。2週連続で行う次のヘレステストでは、リアタイヤの挙動について理解を深めることができると期待しています。ヘレスの粗い舗装と厳しいレイアウトが、リアタイヤを試す絶好の機会を与えてくれるでしょう」 

−次の2回のヘレステストではどのスペックを使うのですか?
「いずれのテストでもプライムコンパウンドとしてミディアムを使用し、1週目と2週目のオプションコンパウンドとしてハードとソフトを用意する予定です」

−ブリヂストンは今回なぜ幅の狭いフロントタイヤを開発したのですか?
「2009 年シーズン前に溝付タイヤからスリックタイヤに変更する決定があり、リアタイヤと比べてフロントタイヤの接地面積が比例的に大きくなりました。このことでフロントタイヤのグリップ力が必要以上に大きくなってしまいました。しかし、チームは2008年までのフロントタイヤサイズに合わせて2009年用のマシンの設計を終えていたため、彼らの要請を受けて、幅の狭いフロントタイヤの導入を2010年まで待つことにしたのです」

−新しいフロントタイヤはどのくらい幅が狭くなったのですか?チームは新しいタイヤに適応するために特別な対策が必要でしたか?
「実際には2009年スペックよりも(ホイール幅を含めて)20mm幅が狭くなっています(2010年フロントタイヤサイズは245/55 R13)。そのためF1マシンのフロントからリアまでのバランスを改善することができるようになっています。チームから見ると、こうした新しいフロントタイヤを考慮し2010年用マシンの設計を実施したはずで、彼らにはマシンを設計するにあたりタイヤの力を十分引き出すため、特にリアの重量を増やすことを考慮するよう要請してあります」

−今シーズンに先立ちブリヂストンは他にどのようなタイヤの変更を実施しましたか?
「フロントタイヤのサイズが新しくなったためフロントのコンストラクションを若干改良し他点と、大きくは耐久性を高めるために行ったリアタイヤのコンストラクションの変更です。また2009年のコンパウンドレンジと比較するとスティント距離が長くなると予測されるため、ウォームアップまでの時間を短縮できるようタイヤコンパウンドも改良しました」


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