スタート直前の大雨の影響で、大波乱となったハンガリーGP。レース中の国際映像で流れた無線をお届けします。複雑な展開、そして終盤の接近戦の緊迫した様子が無線からも伝わってきます。
■L0
ダニール・クビアト→(ドライバーからエンジニアへ)「なぜだか分からないけど、とにかくエンジンが止まった」
■L1
ルイス・ハミルトン←(エンジニアからドライバーへ)「ダメージはあるか? 報告してくれ」
→「左フロントをウォールにヒットした。ウイングも当たった。ブレーキが効かないよ」
←「ブレーキの温度がまだ上がっていないんだ」
(ターン2でスピン)
■L3
ルイス・ハミルトン→「バイブレーションが出ている」
■L5
ルイス・ハミルトン→「デフが何かおかしいよ」
(ターン4でコースオフ)
■L10
ジェンソン・バトン→「まだ雨は降ってきそうなの?」
←「雨が来ると予想しているが、正確には分からない」
■L12
小林可夢偉←「このセットで25周走らなければならない。あと30分は雨は降らないよ」
■L14
ジェンソン・バトン←「雨の可能性は低くなった。だからプッシュしろ。燃料は最後まで問題なく走り切れる」
←「ジェンソン、君からのフィードバックが必要だ。(インターミディエイト)タイヤがいつダメになりそうか教えてくれ」
→「たぶん、あと1周だ」
■L19
ルイス・ハミルトン←「左フロントブレーキの温度が少し高すぎる。温度を少しマネージメントしろ」
セバスチャン・ベッテル←「フロントキャリパーをもう少しウォームアップしてくれ。できればブレーキバランスを調整してくれ」
■L24
ニコ・ロズベルグ→「チャーリー(ホワイティング)に伝えてくれ。事故の後みんなストレートの立ち上がりでちゃんとスロットルを戻しているかどうか、チェックしてくれ」
ルイス・ハミルトン←「“ミッション・クリティカル"(決定的な使命)はベッテルとベルニュを抜くことだ」
■L27
ルイス・ハミルトン→「後ろに新品タイヤのマシンはいる?」
←「リカルドが新品タイヤだ」
■L30
ダニエル・リカルド←「前の何台かがピットインしたときに我々は速く走る必要がある。タイヤの使い方を考えろ」
→「OK」
■L32
セバスチャン・ベッテル←「クルマになにかダメージはある?」
→「ないよ。でもタイヤにフラットスポットができてしまった」
■L33
セバスチャン・ベッテル←「このタイヤで最後まで走る予定だ。クルマの温度を上げないようにして、タイヤを壊さないようにセーブしろ」
■L35
ニコ・ロズベルグ←「前の“相手"(ハミルトン)がピットインするぞ」
→「どうすれば良い? 死ぬほどプッシュすれば良いの?」
←「その通りだ。ストラット4でプッシュしろ」
■L37
ルイス・ハミルトン←「(ピットインまで)あと1周だ」
■L38
ルイス・ハミルトン→「あと1~2周は行けそうだ」
←「よし、行けるだけ行け!」
■L40
フェルナンド・アロンソ←「ハミルトンがミディアムタイヤに換えた。彼は最後までいくつもりだ。ロズベルグはソフトだ」
■L42
ダニエル・リカルド→「パワーユニットがサージングダウン(ERSの回生パワーが低下)している」
←「フェイル6にしろ」
■L47
ルイス・ハミルトン←「ニコとの差は1秒。彼はもう一度ピットインするからホールドアップしないでくれ」
■L48
ルイス・ハミルトン→「このタイヤは最後まで保つのか? 本当に?」
←「問題にはならないよ」
←「ニコに対してディフェンスするためにタイヤを使うな」
■L52
ニコ・ロズベルグ→「どうして彼は抜かせてくれないんだ!?」
←「彼はメッセージを聞いているよ」
ダニエル・リカルド→「リヤタイヤに苦しんでいる。どうする? もうそんなに長くは保たないよ」
←「OK、わかった」
■L54
セバスチャン・ベッテル→「彼らに勝つための唯一のチャンスがステイアウトすることしかないなら、やるべきだと思う。僕らは失うものはないんだから」
←「了解。君は良い仕事しているよ」
■L56
ニコ・ロズベルグ←「このタイヤで最後までいく。13周だ。全周回予選ラップでプッシュしろ!」
■L58
ダニエル・リカルド←「ハミルトンはすぐに捕まえられるぞ、彼のタイヤはもうフレッシュじゃない」
■L62
ルイス・ハミルトン←「高い回転数、低いギヤで走れ」
→「OK」
←「燃費は問題ない」
ダニエル・リカルド←「バッテリーは問題ない。オーバーテイクボタンを使って良いぞ」
■L63
ルイス・ハミルトン→「アロンソが(シケインカットで)アドバンテージを得た!」
←「ああ、我々も見たよ」
■L65
ニコ・ロズベルグ←「このペースでいけばトップ集団を捕まえられるぞ」
ルイス・ハミルトン←「シフトアップはトーン(シフトアップすべき回転数を知らせるビープ音)の後まで引っ張って(ダッシュボードの)回転数LEDを見てしろ」