フェラーリは、ベルギーGPでフェルナンド・アロンソをセーフティカー出動中にピットインさせなかった理由を語り、それ以外の戦略をとる選択肢はなかったと述べた。
今季ワーストの8番グリッドからレースに臨んだアロンソは、スタートで5番手に上がり、ルイス・ハミルトン、フェリペ・マッサ、ニコ・ロズベルグを抜き、すでにセバスチャン・ベッテルはピットインしていたため、自身のタイヤ交換まで首位を走行した。
その後、ハミルトンと小林可夢偉のクラッシュによりセーフティカーが出動、ベッテルはその間にピットインしたが、アロンソはステイアウトしてトップに立った。しかしフレッシュタイヤでペースがいいベッテルにすぐに抜かれ、アロンソはその後29周までピットインを遅らせ、フェラーリが苦手とするハード側のタイヤに交換した後はレッドブルとマクラーレンから1秒以上も遅いペースでしか走れず、結局4位まで順位を落とした。
セーフティカー出動時にアロンソをピットインさせず、その後も新しいソフトタイヤに交換しなかった理由について、フェラーリのシャシー・テクニカルディレクターのパット・フライは次のように説明している。
「戦略の面において、セーフティカー出動のタイミングは我々にとって不利だった。我々の決断以外の選択をすることは不可能だったと私は考えている」
「もしフェルナンドがベッテル同様の戦略をとったなら、彼はトラフィックの中でコースに戻ることになり、上位を狙うチャンスを失っただろう」
「あの後、フェルナンドのセカンドスティントをふたつに分けて3セット目のソフトタイヤを投入することも意味がなかった。そうしていたら4位が確実になり、それより上を狙うチャンスは全くなくなったからだ」