ダブルヘッダーで開催されるIZODインディカー・シリーズのデトロイト戦。1日、第6戦となるレース1の前に、第7戦の予選が行われ、スポットで参戦するマイク・コンウェイ（デイル・コイン）がポールポジションを獲得した。佐藤琢磨は、セッティングに苦しみ予選21番手だった。

　デトロイト、ベルアイルでのふたつ目の予選ではコンウェイがポールポジションを獲得した。この予選は翌日、日曜日に開催されるシリーズ第7戦用だ。このポールはデイル・コイン・レーシングにとっても初。参戦28シーズン目での初ポール獲得となった。

　前日の予選同様に今日も天気は今ひとつで、曇り空の下で予選は始まった。通常の予選がロード＆ストリート用の三段階方式だったのに対し、今日のレース2用の予選は2グループに分かれてのグループセッション方式だった。それぞれのグループに与えられる予選時間は12分だけ。3日間に2レースと予選2回を押し込むためにインディーカーとプロモーターが考え出した苦肉の策だ。グループ分けは前日のプラクティスでのラップタイムの偶数・奇数順位。予選のセグメント1と同じだった。

　2グループとも予選中ずっとドライコンディションで行われ、2グループ目に走ったコンウェイが、1グループ目のトップだったジェイムス・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン)のベストタイム1分18秒1740を上回る1分18秒0977を叩き出し、キャリア初のポールポジション獲得を決めた。

　ジェイクスは惜しくもポールを逃したが、昨日記録したばかりの自己ベスト、予選4番手を上回る予選2番手となった。先に走るグループ1は路面コンディションから考えると明らかに不利。ジェイクスがもし2グループ目で走れていたら、初ポール獲得を祝っていたのは彼の方だった可能性が高い。ジェイクスのレースでの走りには注目だ。

　コンウェイは、「思い切りアタックし、ポールポジション獲得できた。本当に嬉しい。チームのハードワークが実った。レースが楽しみだ」と語り、「ダブルヘッダーは難しい。ブラックタイヤは多く残っているが、レッドタイヤはもうほとんど残っていない。ただし、僕らはハードタイヤの方が速いぐらい。レースはどんな展開になるんだろう？」と続けた。

「あと数周走れていたら……。アタック3周で赤旗。コンウェイはアタック4周目にベストを出した。僕らの3周目を比較すると僕の方が0.5秒も速かった。そして、非常に小さな差でポールを逃す事になった」と悔しがるジェイクス。

　コンウェイが最速だったので、彼が属していた2グループ目のドライバーたちに奇数順位のグリッドが与えられ、1グループ目で走った面々は偶数グリッドからのスタートとなる。

　このルールにより予選3番手はウィル・パワー（チーム・ペンスキー）、予選4番手はライアン・ハンター-レイ（アンドレッティ・オートスポート）。ポール候補のひとりだったアレックス・タグリアーニ（ブライアン・ハータ・オートスポート）はスピンして赤旗を出したため、明日のレースに最後尾25番グリッドからスタートすることに決まった。

　昨日に続いてポールはホンダ勢が獲得し、しかもホンダの1-2となった。『シングルターボはピックアップが鈍いからストリートには向かない……』という定説をホンダは吹き飛ばすことに成功している。

　佐藤琢磨は2グループ目に走ったが、レッド装着でもベストは1分20秒1557止まり。グループ内11番手、予選21番手となった。琢磨は走行後、「レッドタイヤで走り出してすぐに1台のマシンに追いつき、ピットから指示があって間隔を広げたら、アタックを始めた周からタイヤのグリップが低かった。アタック1周目にはまあまあのタイムが出せたけれど、そこから先は全然グリップしてなかった。他のチームはレッドで2周続けて1分18秒台を出していたみたいだけど、自分たちにはそういうのが無理だった」とセッティングに問題があることを語った。