ヨーロッパ全土において活動しているマネージメント会社、グラビティーが、ルノーF1チームの買収について交渉を行っていると報じられている。もしチームが売却されることになれば、ロバート・クビカのチームメイトにジャック・ビルヌーグが起用されるのではとの見方も出ている。
F1ジャーナリスト、ウィル・バクストンは、ルクセンブルグをベースとしたグラビティー社が、ルノーF1の買収に関心を持っていると、自らのブログに記している。ルノー社は今後のF1活動についての決定を年内に行うとしている。
グラビティー社にはF1参戦に必要な資金力も専門的知識もあるとして、バーニー・エクレストンは以前、F1撤退を発表したBMWとグラビティーを契約させようとしたことがあるという。その後、BMWザウバーチームはペーター・ザウバーに売却されることが決まった。
現在F1若手ドライバーテストが行われているが、直前になってルノーがタン・ホー・ピンの起用を決めたことから、今回のウワサが浮上した。タンはグラビティーのマネージメントを受けている。さらに今年のスパ24時間でタンと組んでグラビティー・レーシング・インターナショナルが走らせるモスラーMT900Rで出場したビルヌーブが、新たなチームに起用されるのではないかとの推測も出てきている。ビルヌーブは来季F1復帰を目指している。
スイスのモータースポーツ・アクチュエルは、グラビティーは、ルノーF1の買収を推し進めるため、中国からの支援を集めることを目的にタンをテストに起用したのだと主張している。グラビティーはF1に出場する場合、自らが所有するベンチャー企業であるマングローブの名前を使用するかもしれないということだ。
グラビティーが、DAMSチームで長年チームマネージャーを務めたエリック・ブーリエを最近雇用したという話が、今回のウワサに信憑性を与えているという見方もなされている。ブーリエは同チームのGP2、国際F3000、A1GPの活動を支え、タイトル獲得に貢献してきた人物で、バクストンは「ブーリエが高収入で重要な役職から離れるとすれば、その先にあるのはさらなるステップアップであるはずだ。GP2からのステップアップといえば、F1以外に何があるのだ?」と記している。
ブーリエは、ルノーチームからフラビオ・ブリアトーレが離脱した際に後任としてウワサに挙げられていた。ブーリエ自身、“直接にではないが”接触はあったと認めており、間に立ったのはグラビティーかもしれないと言われている。バクストンは、グラビティーが元ルノーF1チームのバックに立ち、ブーリエが代表としてチームを率い、ビルヌーブとロバート・クビカがレースドライバーを務め、グラビティーがマネージメントを手がけるタンとジェローム・ダンブロシオがテスト&リザーブドライバーに起用されるのではと推測している。
ルノーチームの買収に関しては、プロドライブのチェアマン、デイビッド・リチャーズ、現在ルノーのスポンサーを務めているロシアの携帯電話会社メガフォンも関心を抱いているとウワサされている。メガフォンはロシア出身で今年GP2シリーズランキング2位のビタリー・ペトロフのF1昇格が可能であれば、より一層F1参入に関心を持つことになるだろうと見られている。