エイドリアン・スーティルのマネージャーは、ウイリアムズがブルーノ・セナとの契約を発表したことに驚きはしなかったと語った。スーティルとウイリアムズとの交渉は数週間前に決裂していたという。
スーティルはフォース・インディアのレースシートを失い、さらに昨年の傷害事件に関して訴訟を起こされている。
ルーベンス・バリチェロの後任としてウイリアムズに加入することを狙っていたスーティルだが、チームはセナを選んだ。スーティルのマネージャー、マンフレッド・ジマーマンは、スーティルにとって2012年は「過渡的な年」になると語ったと、SPEEDが伝えている。
「ウイリアムズとの交渉は12月半ばにはすでに終わっていた。意見の相違があったからだ」とジマーマンが語ったとドイツのSport1が報じている。ジマーマンが指しているのは契約期間のことであるとみられる。
さらにスーティルのスポンサーであるメディオンがスポンサーマネーを減額したともうわさされている。
ウイリアムズのチーフオペレーションズ・エンジニア、マーク・ジランは、スーティルについて次のようにコメントしている。
「(候補だった)個々のドライバーたちに関して詳しい話をするつもりはないが、エイドリアンが候補だったのは事実だ。しかしすべての条件を考えると、私にとってもチームにとってもブルーノがベストの選択だった」
ジマーマンは「2012年にF1に残れると今も信じている」と述べている。
「我々は長期的なプランを立てており、(今年は)過渡的な年になる」
「今は1月30、31日の裁判に集中する」
スーティルは昨年の中国GPの決勝後、親しいルイス・ハミルトンと共にナイトクラブに行き、そこでロータス・ルノーGP(今年のロータス)のオーナーであるジニー・キャピタルのCEOエリック・ルクスと会い、彼の首に割れたシャンペングラスで傷を負わせたと報道されている。
ルクスはその後、「身体的暴行および重傷害」に関してスーティルに対し刑事告訴を行うと発表、裁判が今月末に開始することが決定した。
通信社DPAは、ジマーマンが次のように語ったと伝えている。
「(ウイリアムズとセナの契約は)意外ではなかった。我々はもう何週間も前からウイリアムズとの交渉は行っていなかった」
「(今後については)何か驚くような事態が起こるか、プランBを選択するかだ」
残る空席はHRTのシートだけであり、スーティルはリザーブドライバーの道を選ぶ可能性もあるとみられている。