ザウバーのエイドリアン・スーティルが、今年のF1で体重が重いドライバーは非常に不利であり、最低重量引き上げに反対したドライバーはフェアではないと批判した。
2014年F1では新たなパワーユニット導入に伴い、マシンとドライバーの最低重量は引き上げられた。しかし長身、すなわち体重が重いドライバーを乗せるチームは特に重量制限に近づけるのに非常に苦労しており、ドライバー自身も厳しい減量に取り組まざるを得なくなっている。
身長183cmのスーティルは体重が75kg(ヘルメットとスーツを含まず)でこれは全ドライバーの中で最も重いレベルに入る。それに加えてザウバーの車重がかなり重いことで、彼にとっては非常に不利な状況になっている。
昨年、ドライバーたちはマシンの最低重量の引き上げに関して話し合ってきたが、意見がひとつにまとまらなかった。
スーティルが言うには、体重の軽いドライバーの中にも最低重量を引き上げるべきだという彼の意見を支持する者はいたが、一方で自身のアドバンテージを維持するため反対を唱えた者もいたということだ。
「体重が最も軽いレベルのドライバーたちに問題がある。彼らが阻止しているんだ」とスーティルは、最低重量引き上げに関して語った。
「不公平だと思う。僕なら自分より20kgも重いドライバーと戦って勝ちたいとは思わないね。予選で0.1秒差で勝ったとしても、それは本当に勝ったことにはならないんだから」
スーティルの意見に対して、体重59kgのフェリペ・マッサは、それはチームが対策を行うべき問題であると語った。
「それは彼のチームの問題だと思う」とマッサ。
「エンジンが重かったりマシンが重かったりするのはそのチームの問題であり、彼らがもっといい仕事をすればいいだけの話だ」
「僕は体重が軽いしそれを喜んでいるけれど、もしあと10kg重かったとしても問題ないと思う。僕のチームの方がいい仕事をしているということだ」
「規則に従っていい仕事をしてこのレベルまで持っていったチームに対してフェアじゃないよ」
スーティルは重量を抑えるために、可能な場合にはドリンクボトルも外してレースをすると明かした。
開幕戦オーストラリアの決勝ではドリンクボトルを使用せず、高温のマレーシアではドリンクの量を減らしたという。今週末のバーレーンGPではボトルを取り外す予定だということだ。
「(重量を減らすために)ドリンクボトルを外すというのもひとつの手段だ」
「バーレーンのレースは1時間半、それをドリンクなしに走る」
「普通は1リットル用意する。例えばマレーシアでは1.5リットル入れる」
「いろいろなことをすでにやってきた。空の状態で500gのボトルも考慮しなければならない」
体重の重いドライバーたちは厳しい減量に取り組まなければならず、それは健康面で大きな問題につながる可能性があるとスーティルは言う。
「ストレートでの速度は300km/hに達するのだから、肉体的にも精神的にもいい状態でなければならない」
「でももはやそれは簡単なことではなくなっている。今の状況では、ドライバー全員が身体的に100パーセントの状態だと保証することはできない」
ザウバーチームはC33の車重が重いことは大きな問題であると認め、軽量化したシャシーをスペインGPで導入するため、準備を進めている。