今季までメルセデスのチームプリンシパルを務めたロス・ブラウンが、来季F1に向けて検討されているタイヤ交換2回義務付けの提案に自分は反対であると述べた。
F1のストラテジー・グループにおいて、来年は決勝中に各ドライバーに2回のタイヤ交換を義務付けるという提案がなされている。この案が正式に承認されれば、ハード側のタイヤではレース距離の50パーセントを超える距離、ソフト側のタイヤでは30パーセントを超える距離を走行してはならないというレギュレーションが導入され、これによって戦略のバリエーションが大幅に狭められることになる。
ブラウンは、“直感的に”この案は成功しないと感じると述べた。
「ピットストップを義務付けるレギュレーションを導入することは可能だ」とブラウン。
「『何がいけないか』と聞かれると答えられないが、私は直感的にピットストップの回数に制限を設けるのは正しいことではないと考える」
「今の時点でピットストップを1回は行わなければならない。ふたつのタイヤコンパウンドを使う必要があるからね」
「ピットストップの回数を定めるという案はうまくいくかもしれないし、試してみるべきなのかもしれない。だが私としては賛成はできない」
ピレリは今年、レース活性化のためにデグラデーションの高いタイヤを用意したが、そのタイヤに対して大きな批判が集まった。そのためピレリは現在のようにタイヤがレースの行方を左右するような状況を変えることを望んでおり、そこからピットストップ義務化の案が出されたと考えられている。
ブラウンは、ピレリは難しい仕事を強いられているとして、同情的な発言を行っている。
「全力でプッシュできて、なおかつ決勝中に2回ピットストップをせざるを得ないようなタイヤを作るのは非常に難しい仕事だ」
「単独サプライヤーという状況の中でこのような方向性に進んでいくのは避けがたいことであり、これはサプライヤーの責任ではない」