F1の最高権威バーニー・エクレストンが、FIAとFOTAとの対立において、FOTA側へ加わる準備を始めたとヨーロッパの各紙が伝えている。
サンデー・テレグラフによれば、F1の商業権を所有しているCVCが先週の段階で会議を開き、エクレストンの同社における処遇について議論したという。この議論の対象となったのは、エクレストンが非難を受けたアドルフ・ヒトラー及びサダム・フセインに対する発言であり、CVCの主要メンバーであるマーチン・ソエル氏とピーター・ブラベック氏がいずれもユダヤ系であることもからエクレストンの誤った発言は全く歓迎されていないという。
こうしたことから、CVCは現在ルノーのマネージングディレクターでFOTAのコマーシャル副会長でもあるフラビオ・ブリアトーレをエクレストンの代わりに迎え入れるのが好ましいと示唆している。
一方、サンデー・エクスプレスは、エクレストンがF1の内戦長期化を想定して具体的な行動に出ているとも伝えている。エクレストンは彼のエプシロン社を通して“Formula Grand Prix"と“Formula GP”という商標を申請中だと報じ、6月19日にFOTAが正式にライバルシリーズの立ち上げを表名した同じ日にも“GP1”と“GP1 Series”という商標の保護を目的に申請を行ったと伝えている。
エプシロン社はすでにシリーズの立ち上げに動き始めているGP3の商標登録を済ませており、既存のGP2、“GP1”と併せてF1に対抗するステップアップ式のシリーズ設立の準備を進めているともとれる。
FOTAは今週水曜にFIAと再び交渉の席につく。ここでFOTAはコストカットに関する更なる調整と、新たなコンコルド協定の調印の準備を進めているとしており、FIAに対しこれ以上の譲歩を与えないつもりでいることから、この問題は更なる展開の可能性もある。