ジャック・ビルヌーブが、2010年F1のシートを獲得できるかどうかはわからないが、トライしてみるとして、F1復帰への意欲を語った。
以前からF1への関心をほのめかしていたビルヌーブは、ドライバーが重視されつつある今のF1に魅力を感じると述べており、経験のあるドライバーが重宝がられることも自分に有利に働くと考えている。
「また昔のように、人間という要素が重視されつつある」とビルヌーブはイタリアのアウトスプリント誌にコメントした。
「作業は僕が覚えているようなやり方により近くなっている。(でも)雰囲気は外から見ていると当時のように退屈に見える。はっきりと物を言う人間がいないんだ。それもファンを失う要因のひとつだと思う。人々は戦士を見たがっているのに、皆まるでお互いが大の仲良しみたいに振る舞っている。実際には誰もが他の全員を倒したいと考えているくせにね」
「僕はレーシングドライバーだ。それは今も今後も変わらない。だからこそ、F1における自分の状況を検討しているんだ。僕が関心があるのはドライビングだけだ。(FIA/FOTAの対立による)最近のごたごたは僕にとって有利に働いている。テスト禁止によって、僕ら経験のあるドライバーが重宝がられる。何が起こるかわからないけれど、やるだけやってみるよ」
「今のマシンは見ていていい感じだし、来年はもっとよくなると思う。レース中の給油がなくなるから、走らせるのもより面白くなるだろうね。エレクトロニックエイドがなくなって、スライドも多くなっている。そんな風にショーとしてよくなっているんだ」
「10年も前から僕は、ピットストップを禁止し、スクックタイヤに戻し、電子機器を取り払え、と言っていた。タイヤ交換のためにピットストップが必然的に残ってしまうのだけが残念だ。それによって燃料のファクターから発生するアクションがいくらか台無しになってしまうからね。タイヤ交換をせずに、おそらくペースを抑えて走り続けるドライバーがいて、一方でピットストップで時間をロスしながらも追いついてくるドライバーがいるのを見るのは楽しいのにね」
「僕が去るころにはF1はもう楽しくなくなっていた。ドライビングはまだ楽しかったけれど、雰囲気がよくなかった。ドライバーはレースエンジニアと30分ほど作業を行って、その後はコンピュータがセッティングを用意してくれて、ドライバーは“黙って走れ”と言われてしまう。僕は常に率直に物を言うタイプの人間なんだが、最後の方にはすべてがとても難しい状況になっていた」