ピレリのPZeroタイヤ、バレンシアでペースと耐久性を発揮
2011年6月26日、バレンシア
ヨーロッパGPではタイヤ戦略がトップ3争いの中心となりました。レース序盤はPZeroイエロー・ソフト・タイヤのペースを最大限に生かしながら、レース終盤は新型PZeroホワイト・ミディアム・タイヤの耐久性を生かす展開となりました。
ポールポジションからスタートした選手権リーダーのセバスチャン・ベッテルは、今季8戦目にして6勝目を挙げました。その後ろにはフェラーリのフェルナンド・アロンソが続き、モナコGPに続いて今季2回目の表彰台を獲得しました。優勝したベッテルにとっては完璧な週末で、ポールポジションもファステストラップも記録し、選手権リードも広げました。
ピットストップ戦略によって動いてきたレースは、トップ3が僅か3秒差で最後の20周を迎えました。22周目にフェラーリのアロンソがレッドブル・レーシングのマーク・ウェバーを抜いて2位に上がりましたが、ウェバーは最後から2番目のピットストップをアロンソよりも1周先に行ない、2位を取り戻しました。今年ここまで何度も見られてきた“アンダーカット”を実行したわけです。
しかしアロンソは残り10周の時点で迎えたPZeroホワイトへ交換する最後のピットストップでウェバーを逆転。上位7台はすべて同じ3回ストップ作戦で、レースの最後の1スティントだけにPZeroホワイトを使用しました。
トロロッソのハイメ・アルグエルスアリが2回ストップ作戦の最上位で、42周目にPZeroホワイトに交換するまでの第2スティントでは、PZeroイエローで23周も走行しました。
その一方、ザウバーのセルジオ・ペレスは1回ストップ作戦で走り、25周目にPZeroホワイトからPZeroイエローに交換し、57周目まで32周にわたって走行しました。モナコGP予選での事故から2戦連続の欠場を経てのレース復帰でしたが、わずか6秒差でポイント獲得を逃しました。
気温28度、路面温度47度という非常に厳しいコンディションにもかかわらず、リタイアは1台もなく、PZeroタイヤにもさほど大きなデグラデーションは見られませんでした。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「カナダやモナコ、中国で展開されたような歴史に残るようなレースではありませんでしたが、このようなコンディションの中ではPZeroイエローの性能を最大限に活用する3回ストップが理想的な戦略ではあったものの、それでも様々なレース戦略の交錯を見ることができました。次はシルバーストンです。高速のパーマネントサーキットに戻り、また上位争いでも様々なアクションが展開されることでしょう」