フェラーリは25日、2014年シーズンを戦うF1マシン『F14 T』を発表した。
今シーズン、ダブルワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソと跳ね馬最後のドライバーズチャンピオン(2007年)として復帰したキミ・ライコネンというグリッド最強のコンビがドライブする期待のマシンは、ファンの投票によって『F14 T』と名付けられた。
この、フェラーリ60代目のシングルシーターは、現地時間25日午後、チームの公式サイト上でショートムービーとともに発表された。
注目の『F14 T』は、今年もフェラーリ伝統の真紅に彩られ、その姿を披露。ウイリアムズ、マクラーレン、ロータスと次々に衝撃的なノーズデザインが明らかになる中、フェラーリも2014年の新レギュレーションに沿ってフロントエンドに独自のソリューションを見いだしている。
しかしながら、『F14 T』のノーズは、他のライバルに比べてよりフラットで路面を這うようなデザインを採用。ノーズ先端もモノコックからの幅を維持している。
また、断念か継続かで話題になっていたフロントのサスペンションレイアウトはプルロッドの継続で決着。今年の新レギュレーションではモノコック先端の高さが100mm低くなるため、アングルが変わることになるが、今年は、昨年水平に近く限りのあった可動域においてアドバンテージがあるとみられていた。
ここ数年、タイトルを逃してきたフェラーリは、その要因のひとつとして風洞設備に大きな問題を抱えていた。相関精度のズレが開発ペースの停滞とアップデートの不調を招き、レッドブルはもちろん、昨年はメルセデスにも破れた。しかし、マラネロは2012年にその風洞を一時シャットダウンして本格的な問題解決にあたると、昨年秋にようやく再稼動へとこぎ着けた。
これによってスクーデリアは、マシン開発に再び自信を取り戻し、今年の『F14 T』を開発。昨年途中に加入したロータスの元テクニカルディレクター、ジェイムズ・アリソンらによって技術部門も強化されている。
アロンソとライコネン、ふたりのチャンピオンがチームに確執を生むとの懸念もあるが、『F14 T』が見据えるのはタイトルのひとつしかない。
