ヘレステスト3日目、11チーム11人のドライバーが走行し、ロータス・ルノーのレースドライバー候補としてテストに初参加したニック・ハイドフェルドがトップタイムをマークした。
12日、HRT以外の11チームがヘレスで走行を行った。けがをしたロバート・クビカの代役候補のハイドフェルドは、R31を初めてドライブ、ピレリタイヤの評価や新しいフロアのテストなどを行い、1分20秒361を記録した。このタイムは前日のミハエル・シューマッハーによるトップタイムにはわずかに届いていない。ハイドフェルドは8周のランの最初にベストタイムをマーク、スーパーソフトタイヤを装着していたものとみられている。
ハイドフェルドから0.132秒遅れの2番手はフェラーリのフェルンド・アロンソ。アロンソは昼ごろは2、3周の短い走行を繰り返し、午後には何回かロングランを行い、安定したペースを見せている。この日のヘレスには地元ヒーローのアロンソを見るために、大勢の観客が詰めかけた。アロンソは友人のクビカのヘルメットをデザインに組み込んだヘルメットを使用している。
3番手はメルセデスのシューマッハーだった。シューマッハーは午前中はショートラン、午後にはロングランを行う中で、アジャスタブル・リヤウイングのシステムチェック、タイヤ評価などに取り組んだ。
マクラーレンのルイス・ハミルトンは、MP4-26のスペアパーツが不足し、36周しか走行できず、4番手。パーツはテスト最終日に間に合うようヘレスに到着する予定だ。
ザウバーの小林可夢偉は84周を走行、1分21秒242でこの日の5番手となった。可夢偉はセッション開始20分後に電気系トラブルのためにドライサックヘアピン出口のコース内側でマシンをとめ、セッション終了1時間前にはエンジントラブルでシケインのエスケープロードでマシンをとめ、それぞれ赤旗を出している。可夢偉の自己ベストタイムは最初のトラブルの前に記録。午後に可夢偉はロングランを行い、1分25秒台から26秒台で走行している。
6番手はレッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテル。ベッテルは主に5周から8周の短めの走行を行い、セッティング変更やタイヤ比較に取り組んだ。長めの走行ではフェラーリ同様に安定したタイムで走行している。
トロロッソのセバスチャン・ブエミが7番手。ブエミは6周以内の短い走行を繰り返している。午後にはロングランをスタートしたが、他者の赤旗に妨げられた後、セッション終了10分前には自身がターン9入口の外側にマシンをとめ、赤旗の原因となっている。
8番手にはチーム・ロータスのヘイキ・コバライネンが入った。ヘレステスト前半2日間にトラブルに見舞われたロータスには、この日もエキゾーストトラブルが発生したが、コバライネンは予定したプログラムを完了し、マシンにポジティブな感触を得たと述べている。
9番手はウイリアムズのルーベンス・バリチェロだった。この日もKERSトラブルにより走行時間を3時間ロスしたウイリアムズだが、午後にはバリチェロがロングランの中で空力セッティングを進め、データ収集を行った。
フォース・インディアの新車VJM04を初めてドライブしたポール・ディ・レスタが10番手。マシンに慣れ、タイヤとセッティングに関するデータを集めることを目標としていたディ・レスタは、ブレーキの問題を訴えており、セッション終了30分前に、リヤブレーキをロックさせ、ターン9でスピン、赤旗を出している。
最下位11番手はヴァージンのルーキー、ジェローム・ダンブロシオだった。MVR-02を初めて走らせたダンブロシオは、マシンとタイヤを学ぶ作業から始め、ピットストップとフォーメイションラップのシミュレーション、ムーバブル・リヤウイングの評価も行った。