「パワーユニットに関しては、信頼性という点では、この数週間で得られた答えは、かなり勇気付けられるものがある。でもパフォーマンス面はまだわからない。オーストラリアまで待ちたい」
 これは3月3日をもって、ウインターテストを切り上げたフェルナンド・アロンソの走行後のコメントだ。

 テスト期間中に、ドライバーをはじめチーム関係者が「まだ自分たちのポジションがわからない」と答えるのは、珍しいことではない。しかし、今回アロンソがパワーユニットの性能に関して、「わからない」と答えたのは、ウインターテストでの常套句として用いたわけではない。なぜなら、この日、118周したアロンソのマシンはまったくセッティングが決まっていなかったのである。それは終了まであと7分で赤旗が出されてテストが終了してピットに帰ってきたアロンソのマシンが、フロービズと呼ばれる空力テストを行っていたために車体が特殊塗料で赤や黄色でカラフルに彩られていたことでもわかる。

 セッティングを煮詰めるどころか、空力パーツのデータ取りをまだ行っているという状況だったのである。開幕戦に向けて、パワーユニットの性能に関して、ドライバーからフィードバックしてもらいたいホンダにとっては、もどかしい日々が続いている。それでも、長谷川祐介総責任者は「いまは、その時期ではない」と腹を据える。

「車体の状況があまりいい状態でないときに、パワーユニットに関する評価をしても、正しい評価が得られません。もう少し待ちたいと思います」
 かつてジャック・ビルヌーブや佐藤琢磨のエンジン側のレースエンジニアを担当していた長谷川総責任者らしい配慮だった。ただし、その長谷川総責任者が厳しい評価を下した。
「ただ、今日の状況では、Q3にコンスタントに進出するという当初の目標に対して、このままだとちょっと厳しくなってきたなという印象です」

 この日、得られた収穫は、レースに向けてパワーユニットの最後のデータセッティングを行いその確認ができたこと。
「2月28日にホモロゲーションを済ませました。だから、その仕様のパワーユニットで、3月1日からのテストでここまでトラブルなく、走っていることはすごくポジティブなこととしてとらえていいと思います」
 テストはあと1日を残すのみだ。

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