WEC世界耐久選手権に参戦するポルシェは、第2戦スパ、第3戦ル・マン24時間に投入する3台目のポルシェ919ハイブリッドのドライバーとして、フォース・インディアからF1に参戦するニコ・ヒュルケンベルグを起用すると発表した。

 2014年からWECのLMP1クラスに参戦しているポルシェは、初年度は新開発のポルシェ919ハイブリッドを全戦で2台投入。シリーズのハイライトとなる第3戦ル・マンでは、終盤まで優勝を争ったもののトラブルによりストップした。

 参戦2年目となる2015年に向けては、すでに第2戦スパ6時間、そしてル・マンに3台目の919ハイブリッドを投入することを発表していたが、ドライバーに関しての発表はなし。しかし27日になって、これまで噂にも上がっていなかったドライバーの加入を発表した。

 それは、2015年もフォース・インディアからF1参戦が決まっているヒュルケンベルグ。F1参戦のスケジュールの合間を縫って、WECにスポット参戦を行うことになった。かつて1980〜90年代は現役F1ドライバーのル・マン参戦は珍しくなかったが、近年では珍しいパターンとなりそうだ。

「ポルシェとル・マン。この組み合わせはレーシングドライバーなら誰でも惹きつけられるものだと思うよ」とヒュルケンベルグ。

「僕はずっとポルシェのファンで、LMP1への復帰を注目して見てきたんだ。そしてそのうち、ル・マンでこのクルマをドライブしたいという欲求が強くなってきたんだ。2015年のF1カレンダーがそれを許容してくれたことを喜んでいるし、参戦を認めてくれたフォース・インディアにも感謝しているよ」

「どちらに対してもきっちり仕事を果たせるようにしていくのは、今後は僕次第だね」

 ポルシェLMP1プロジェクトの副代表を務めるフリッツ・エンジンガーは、「ニコがコクピットに収まることを楽しみにしている」と言う。

「我々は彼のドライビングスキルを完璧に信頼しているし、我々のチームにも溶けこむことができるだろう。この能力は耐久レースには非常に重要なポイントになるんだ」

 ヒュルケンベルグは過去に、ニュルブルクリンク24時間に挑戦したポルシェ911 GT3Rハイブリッドをテストした経験ももっている。

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