アメリカGPで、フェルナンド・アロンソ車に最新スペックのパワーユニットを本格投入したマクラーレン・ホンダ。シャシーでは、フロントウイングとフロアに新パーツが投入されていた。
フロントウイングは、翼端板内側に接する部分の各フラップの処理を変更。これまではフラップと翼端板がそのまま結合していたが、新型ではフラップと翼端板の間にギャップを作り、その部分がフラットになっている(写真1:赤の矢印)。これはメルセデスが中国GPから採用しているアイデアで、その後フェラーリやレッドブルらが追従している。
マクラーレンは新フロントウイングをフリー走行1回目に投入、ロシアGPで使用した従来型との比較テストを行っていた。アロンソ18周、ジェンソン・バトン20周と全チームで最も多く走行したのは、そのためだった。
新しいフロアは、リヤタイヤ前のスリットに変更が加えられていた。これまでは横に2本(写真2:黄の矢印)、縦に2本(写真2:青の矢印)と合計4本の大きめのスリットだったが、アメリカGPでは4本のスリットの長さがそれぞれ短くなり、さらにその前方に11本の短めの横スリット(写真2:赤の矢印)が増設されている。これはフェラーリがシンガポールGPから投入しているアイデアだ。
しかし今年のアメリカGPは天候不良で、フリー走行1回目からウエットコンディション。決勝レース中盤からはドライとなったが、新しい空力パーツの効果は未知数。おそらく連戦となるメキシコGPで引き続き評価が行われることになるだろう。