FIA会長マックス・モズレーは、再び「フェラーリなしでもF1はやっていける」との発言を繰り返し、フェラーリにF1の規則を決めさせるわけにはいかないと主張した。

 バジェットキャップ制に関し、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)とは19日、モナコで再度会合を行ったものと見られている。モズレーはバジェットキャップ制に反対するチーム側に対し、22日までに代替案を提出するよう求めている。2010年F1へのエントリー締め切りは、5月29日に迫っている。
 フェラーリ、ルノー、トヨタ、レッドブルは、FIAの決定したこの規則が変更されないならF1から撤退すると明言あるいは示唆しており、フェラーリはこのレギュレーションを破棄させるためにフランスの裁判所に訴訟を起こすことを考えているという。しかしモズレーは、今の状況は“危機”ではないと主張する。

「(撤退は)起こらないだろう」とモズレーは言う。
「ある種の危機であるとの指摘もあるが、私は危機などないと考える」
「彼ら(新規チーム)はエントリーを行うだろう。我々は申請をチェックし、決定を下す。いくつか空きがあれば、他のチームが後からエントリーを行うかもしれないし、そうはならないかもしれない。2010年の3月にメルボルンに向かうまでは、危機などは存在しない。まだまだ時間はあるのだ」
「かなり大勢の人々が関心を示しており、その中の多数の人間が真剣に考えている。もし現在参戦しているチームがすべてエントリーするなら、空いている枠は3つになるが、真剣に参戦を考えている新規チームの数はそれより多い。それが問題だ。これについては今後状況を見ていこう」

 先週金曜のFOTAとFIAの会合の際に、フェラーリのチームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリはメールでフェラーリの訴訟について知らされたと言われており、これをモズレーは“笑える”と表現している。また、モズレーは、フェラーリがF1に必要だと言えば、彼らにF1の規則を作ることを許してしまうことになり、それは認められないと主張した。
「チームプリンシパルにチームの意向を伝えることなく彼を(会合に)送り出すとは、極めて独創的だ」とモズレー。
「彼としてもきまりが悪かっただろう」
「(フェラーリが撤退すれば)非常に驚くだろうね。彼らは撤退すると言いながら、規則を変えないために差し止め請求をしようとしているのだから。彼らがやめようというのなら、こちらとしては彼らはやめるのだろうと考えるだけだ。騒ぎが収まれば、良識が行き渡るだろう。今は皆がそれぞれの立場を示しているが、2010年3月までは問題はない。フェラーリは来年もF1でレースをするだろうと私は考えている」
「フェラーリのいないF1は、フェラーリのいるF1ほどいいものではないが、それでもF1であることには変わりはないし、完璧に機能するだろう。彼らを失うのは非常に悲しいことだ。しかしさもなければ、このスポーツを統治することを諦めて、フェラーリにそれをやらせてしまうことになる。今我々が“フェラーリがいなくては機能しない”などと言えば、彼らがすべての規則を作ることになってしまう。それは認められない。彼らは他のチームと同じ予算でも、ライバルたちと戦えるだけの能力を持っている。非常に優秀な才能ある人々がそろっているのだから、他のチームの3倍も(の予算は)必要ないはずだ」

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