2013年F1第5戦スペインGPは12日、バルセロナ近郊にあるカタルニア・サーキットで66周の決勝レースが行われ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが母国グランプリで今季2勝目をあげた。
シーズンの本格的な幕開けを告げる第5戦スペイン。F1屈指のテクニカルコースを舞台に大幅なアップグレードを受けたマシン同士のバトルに大きな注目が集まったが、予選で最前列を独占したメルセデスにとっては、バーレーンの悪夢が再び繰り返される屈辱の展開となった。
レースはスタート直後の1コーナーでセバスチャン・ベッテルが2番手に浮上し、同じく好スタートを決めたアロンソが2コーナーでキミ・ライコネンとルイス・ハミルトンをアウトから一気にパス、3番手に浮上する。オープニングはニコ・ロズベルグ、ベッテル、アロンソ、ハミルトン、ライコネン、そしてフェリペ・マッサがトップ6を形成するが、すぐにメルセデス2台のペースに陰りが見え始め、彼らは序盤から防戦一方の走りを強いらた。
10周目前後に各車1回目のピットストップを終えるとアロンソがベッテルの前でコースに復帰、2番手に浮上し13周目の1コーナーでは早くもトップに浮上する。ベッテルの後ろ3番手にはハミルトンを攻略したマッサ、ライコネンが続いたが、フェラーリ2台は20周を終えたところで立て続けに2回目のピットストップを実施。4ストップ戦略を本格にスタートさせクイックラップを重ねていく。これに対し、ベッテルは25周目、ライコネンは28周目、ロズベルグが28周目と3ストップのスケジュールを守ったが、ロズベルグだけは上位争いに留まることができず、徐々に遅れをとっていった。
中盤は、アロンソとマッサの跳ね馬2台がクリーンな視界を活かしてレースを快調にリード。33周目にベッテルを交わしたライコネンが3番手で続く。その後アロンソはライコネンに対し1ストップ分となる20秒のギャップを一旦築くが、これにライコネンも反応。約17秒まで縮めたアイスマンは36周目にダブルピットストップを敢行したアロンソの前に出るが、フレッシュタイヤのアロンソはすぐにライコネンからトップの座を取り戻し、アロンソ、ライコネンの順でレース終盤を迎えることになった。
フェラーリとロータスによる優勝争いは、46周目にライコネンが最後のピットストップを行うが、それまでに9秒のギャップを築いていたアロンソが50周目に27秒のリードを持って4回目となるピットストップを行った。このピットストップを無事にこなしたアロンソは、ライコネンの7秒前でコースに復帰すると、最終スティントもライバルとの差をコントロールし続け、最後は母国ファンの大歓声を受けてトップチェッカー! ライコネンとのバトルを見事に制した。
3位には、グリッドペナルティから挽回しレースでも終始好走を見せたマッサが表彰台を獲得。選手権争いのライバルであるレッドブル勢を抑えた。一方、最前列スタートのメルセデス勢は最終スティントで若干持ち直したロズベルグがなんとか6位に入ったが、トップからは1分以上の差でフィニッシュ。ハミルトンにいたっては、入賞圏外の12位という散々な結果に終わり、改めてレースペースの課題が浮き彫りとなっている。