かねてからフェラーリのフェリペ・マッサの代役としてシューマッハーを推していたフェラーリOBのニキ・ラウダは、シューマッハーは自身の早すぎる引退を後悔しているのではないか、そして彼はこの度の、所属したチームを助けるという新たな使命を得て、復帰を決定したのだと語っている。
2006シーズンで引退し、先のハンガリーGPで負傷、リハビリ中のマッサに代わりカムバックをすることになったミハエル・シューマッハー。次戦ヨーロッパGPに向けて2007年仕様のマシンをテストし、トレーニングを続けているが、ラウダは、このシューマッハーのチャレンジはさほど困難なものではないと思っているという。
「彼は体から“レーシングの虫”をデトックスできなかった。そのことは彼の2輪での活動を見ればわかるだろう。個人的な観点から言わせてもらうと、彼は全力で取り組むべきチャレンジがなくなってしまったから2006年に引退をしたのだと思う。そして、そのことについて彼は後悔をしているはずだ。ところが、今回、ケガをしたマッサに代わり、以前所属したチームを助けるという、使命を得て、彼はきっと自分がまだコンペティティブだと気付くことになるはずだ」とF1公式サイトに語っている。
「これは私にとっても興味のある出来事でもある、戦いを求めるハングリー精神、アドレナリンの分泌は止まることがないからだ。今の状況は、彼にとってトップにどれだけ近いところにいるのかを探るチャンスとなっている。彼のようなトップドライバーが、いつも気にしていることを知るチャンスなのだ」
ラウダ自身もF1カムバックを果たし、2回目のタイトルを獲得している。しかし、シューマッハーの復帰はラウダとは違い、マッサ欠場の間だけのもので、単なる“経験のため”にすぎないだろうとしている。
「私は復帰後に勝利を収めたが、ミハエルはタイトルのためにレースをするのではない。私は勝つために復帰したが、彼の場合は、面白そうな挑戦だから復帰したのであろう」