メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンであるニキ・ラウダは、公然と今のF1を批判するF1関係者に対して怒りを表した。それによってF1に大きなダメージを与えることになるとラウダは考えている。
バーニー・エクレストンとフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロは2014年のF1新規則に不満を抱いており、バーレーンGPの週末、FIA会長ジャン・トッドとF1の現状と改善策について話し合うため会合を持った。
エクレストンは、今年の新1.6リッターターボエンジンは素晴らしい技術ではあるがF1にはふさわしくなく、今のF1はファンには受け入れられないものであると発言した。ディ・モンテゼモロは、ドライバーが燃料を気にしてプッシュできない状態を「タクシードライビング」と呼んで不満を表している。
こういったコメントをラウダは、映画監督が公開前に自身の映画をけなし、その結果観客が足を運ばなくなる状態にたとえた。
「(映画監督の)ロン・ハワードが『正直言って“ラッシュ”は私がこれまで作った映画の中で最悪の作品だ』と言ったらどうなると思う? それと同じことがF1で起きたのだ」とラウダは言う。
「もし彼(ロン・ハワード)が映画公開前にそんなことを言ったら、誰も見に行ったりしない」
「我々が今行っていることはさまざまな影響をもたらし、このスポーツを破滅させてしまう」
「すべては(開幕戦)オーストラリアから始まった。オーガナイザーたちがノイズレベルについて文句を言ったのだ。バーニーも初日から音について不満を述べていた」
「その後、この話題は加速し、ディ・モンテゼモロが出てきて燃料の量が足りないと言い出した」
「誰もが問題点を投げかけている。問題に対してこれほどばかげたアプローチがとられるのを初めて見た」
「私はメルセデスの人間としてでなく、ひとりの人間として話している。今の状況は本当にばかげている」
「このようなたわ言を言うのをやめれば正しい方向に進む。我々が自分自身の手でこのスポーツをだめにしてしまいかねないような段階にまで至るべきではなかった。私が一番心配していたのはこういう事態だった」