2008年シンガポールGPでの不正事件で有罪判決を下されたルノーは、F1を撤退する可能性が高いとも見られていたが、今後もF1に残る決定を下したことを表明した。
昨年のシンガポールGPでフェルナンド・アロンソを有利なポジションに立たせるため、ネルソン・ピケが故意にクラッシュした事件に関し、FIA世界モータースポーツ評議会はルノーF1チームに2011年末までの執行猶予つき資格剥奪処分を下すとともに、関与したフラビオ・ブリアトーレとパット・シモンズにも厳しいペナルティを科した。
それ以前からF1から退く可能性が高いと見られていたルノーにとって、この事件がF1撤退への最後の一押しになってしまうとの見方は強かったものの、ルノーは21日の公聴会でFIAに対し、今後もF1にとどまる決断をしたとの声明を提出したとBBCが伝えている。
「ルノーF1と親会社は、自動車メーカーを撤退に追い込んでいる財政的締め付けという現在の状況に加え、謀略事件によって企業イメージにおいてダメージが生じたことを受け、このスポーツにとどまるか否かを真剣に検討した」と声明には記されている。
「しかしながら、同社はF1にとどまり、今後もこのスポーツに大きな貢献をしていきたいという結論に達した」
また、ルノーはピケ親子に対する訴訟を取りやめたことも明らかにしている。ルノーを代表してWMSCに出席した弁護士アリ・マレク氏は、ルノーも、一部メンバーが起こしたこの事件の被害者であるとのスタンスの下、この不幸な事件を過去のものにできるよう全力を尽くしていくとコメントしている。
「我々はこの件をすべて過去のものにすることを心から願っている。馬鹿げた策略であり、このようなことは後にも先にも一回限りだ。ルノーはこのようなことは二度と起こる可能性はないと承知している。我々にとって非常に不幸な一日だ。しかし我々は、この件にけじめをつけ、この悲しい歴史を過去のものとするために全力を尽くすつもりだ」