シンガポール、鈴鹿と、2戦連続で表彰台を獲得したレッドブル・レーシング。彼らが使用するパワーユニットは、ルノー製だ。確かに、今季のルノー製パワーユニットは、メルセデスに対して苦戦を強いられている。ただし、来季に向けては必ず巻き返すと、ルノー・スポールの副マネージングディレクター、ロブ・ホワイトは言う。AUTOSPORTwebでは、そのホワイトに、鈴鹿で話を聞くことができた。
開発凍結が厳しい結果を招いた
——今シーズンのルノーの戦いを、どのように評価していますか?
「確かに2014年は、私たちルノーにとって厳しいシーズンでした。もちろん、この結果は4年間チャンピオンを獲得し続けた私たちにとって、受け入れがたいものです。しかし、同時に今シーズンここまで経験したことは2015年以降に向けて、必ずや貴重なものとなってくれるでしょう」
——ライバルに対して、どこが足りなかったのでしょう?
「答えがひとつであれば、これほど苦労はしていないですよ(笑)。いくつかの部分で我々がライバルより劣っていたことは認めます。しかし、その差は皆さんが想像している以上に小さいのです。ただ、この世界ではその小さな差が結果として大きなギャップを築いてしまいます。それと我々にとって厳しかったのは、2月28日にパワーユニットのスペックがホモロゲーション(凍結)されたことでした。もちろん、これはライバルメーカーにとっても同じ条件ですが、シーズン序盤戦で出遅れた私たちにとっては、このレギュレーションが大きく響きました」
来季はトップ争いに加われる
——そのような状況から、どうやって立て直したのでしょうか?
「最初のテストでは、計測ラップは1周もできなかったんだから、皆さんが驚くのも無理はないかもしれません。ただしホモロゲーションされた後も、パフォーマンスアップに繋がらず、信頼性を向上させることを目的としてFIAの承認を得れば、改良は可能でした。それにソフトウェアのプログラムに関しては、FIAの承認がなくても変更は可能で、我々のパワーユニットはその部分でも問題を抱えていたから、やれることはたくさんあったのです。開幕して5戦ぐらいは毎戦のように変更を加えていたと思います」
——その後、カナダでは(ダニエル)リカルドが今シーズン、そして自信にとっての初勝利。その後も2勝して、日本GPまでに3勝を挙げています。今シーズンの残り、そして来シーズンに向けて、抱負を聞かせてください。
「シーズン序盤に信頼面の問題を出したことは、シーズンを通して我々を苦しめる結果となりました。すでに(ダニール)クビアトがレギュレーションで定められている5基を超え、6基目のパワーユニット(エンジン本体)を使用しているほか、日本GPでは(パストール)マルドナドも6基目を使用してペナルティを科せられた。恐らくすでに5基を使用しているセバスチャン・ベッテルも、6基目を使用しなければならないでしょう。
ただし、来年は違います。同じ失敗を繰り返さなければ、2015年はコンペティティブな戦いができると確信しています。今、私たちは2015年に向けて、新しいエンジンをこれまで以上に良いペースで開発しています。もちろん、ライバルも開発の手を休めることはないでしょうから、来年も激しい戦いになるでしょう。でも、私たちがトップ争いの中に加われると信じています」