12日に開幕した大阪オートメッセ2016のTOYOTA GAZOO Racingブースに、今季の世界耐久選手権(WEC)にフル参戦する中嶋一貴と小林可夢偉が登場。トークショーを行った。

 一貴と可夢偉は、ともに大阪オートメッセのステージに出演するのは今回が初めてとのこと。ステージには彼らを一目見ようと多くのファンが集まった。来月にはWECとル・マン24時間耐久レースに向けたテストが本格的にスタートしていくが、昨年リザーブドライバーとしてLMP1マシンをドライブしている可夢偉は、マシンについて「僕が今まで乗ったクルマの中で一番しんどい」と一言。

「何がしんどいかと言うと、ル・マン24時間へ向けて、事前に30時間テストというのをやるんです」

「それを4~5回やって、ドライバーだけでなく、メカニックやエンジニアも24時間という本番と同じ状況で練習を重ね、失敗を出し尽くしてしまいます。それと同時に信頼性も確保して6月の本戦に臨みます」

 今年でル・マンを含めWEC挑戦4年目となる一貴も「空力を突き詰めたフォルムになっていて、テレビで観ていても簡単に乗っているように見えますが、実際はけっこう大変です。空力を突き詰めれば、その分クルマは硬くなります。そうすると(速さは別として)乗り心地は悪くなりますね」と、普段はあまり語らない裏話を披露した。

 近年、WECとル・マンには一貴、可夢偉をはじめ、ニコ・ヒュルケンベルグやマーク・ウェバー、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンといったF1経験者が参戦している。WECとF1の違いについて、可夢偉は「F1はマシンの差もあるので、一番の敵はチームメイトになる場合もありますけど、WECは他メーカーがライバルになります。そのため、チーム全員で力を合わせて戦う部分が強いですね。チームのために何ができるか、これを重視しています」と語った。

 一貴は「F1は毎年(レギュレーションなど)いろいろなものが変わるので、伝統を感じることは少ないですが、WEC、特にル・マンは毎年同じ場所でレースをして、今年で84回目。年数にするともっと長いです。お客さんの注目度も違いますし、大きなお祭りみたいなもの。そういう場所でレースができるということにすごく重みを感じます」とコメントしている。

 最後に今季への意気込みを語った2人。一貴は「昨年は苦しいシーズンになりました。早い段階から、ライバルを逆転するための準備を進めてきました。今年はクルマも新車で中身も変わります。まだ乗っていませんが、技術的には確実に良くなっていると聞いています。開幕戦からライバルとバチバチの勝負をしたいです」と意気込むと、再び世界の舞台に帰ってくる可夢偉は「F1の時にやり残したことはいっぱいあります。このWECでトヨタとともに何か誇れるものを作ることができればなと思います」と想いを語った。

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