小林可夢偉のF1復帰が正式に決まった。昨年、F1で不在だった日本人ドライバーの勇姿が再び戻ってくる。

 待ちに待った可夢偉のF1復帰がようやく現実のものとなった。ケータハムF1チームは21日、2014年のレースドライバーとして小林可夢偉を起用することを正式に発表した。

 チームメイトは、2009年の全日本F3選手権チャンピオンでスウェーデン出身のGP2ドライバー、マーカス・エリクソンがF1初参戦を決め、昨年レースドライバーを務めたシャルル・ピックとギド・バン・デル・ガルデのふたりはシートを喪失。バン・デル・ガルデは、テスト兼リザーブドライバーとしてザウバーへの加入を決めている。

 チームはこの日、英リーフィールドのファクトリーでメディア懇親会を開き、可夢偉とエリクソンの新コンビを発表。リザーブドライバーとしてロビン・フラインスとアレクサンダー・ロッシの就任も発表された。
 これにより、2014年に参戦する全11チーム22名のドライバーが確定した。

 可夢偉の所属先となるケータハムは、日本でもお馴染みの格安航空会社「エアアジア」を所有するトニー・フェルナンデスが代表を務め(現在はその座を退いている)2010年から参戦。ただ、チームは過去4シーズンでいまだポイント獲得の経験がなく、昨年はコンストラクターズ選手権で最下位に終わっている。

■2015年以降のF1キャリアを左右

 ようやくF1キャリアの再開を決めた可夢偉だが、復帰に至る道のりは決して容易ではなかった。
 一昨年の日本グランプリで日本人ドライバーの最高位タイとなる3位表彰台を獲得、中堅チームのザウバーでエースドライバーとしてコンストラクターズ選手権6位に大きな貢献を果たした。しかし昨年は“ペイドライバー”の攻勢でシート争いに苦戦。希望するトップチームへの移籍を果たせなかった可夢偉はスポンサー不足から急遽、一般のファンに募金を募る『KAMUI SUPPORT(募金総額1億8465万5120円)』を立ち上げ、最終的には日本企業の支援も含め800万ユーロ(約8億8000万円/2012年12月)強の予算を確保したが、シート獲得に繋げることはできなかった。

 フェラーリのドライバーとしてWEC世界耐久選手権でGTカーを走らせた2013年も、F1復帰を目指して交渉を続けてきた可夢偉。それでも、今季のストーブリーグで可夢偉の名前がウワサに挙がることはほとんどなく、一時はF1復帰に厳しい見方もされていた。
 だがここにきて、ケータハムが経験あるドライバーと若手のペアを希望、3シーズン以上のF1経験と表彰台の実績を持つ可夢偉が土壇場でシートを勝ち取る結果となった。

 ただ、今季の大幅なレギュレーション変更が下位チームのポイント獲得を後押しするという予想の一方で、変更に対処できるトップチームと十分な予算を持たない下位チームとでは、その差がこれまで以上に広がる恐れも指摘されている。昨年、最下位に沈んだケータハムのチーム状況はドライバー決定の遅れからも明らかで、F1復帰を決めた可夢偉としても今シーズンは2015年以降のキャリア継続に向け、一層の活躍が求められることになる。

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