日本のトップフォーミュラをはじめ、GCやGTカーレース等、さまざまなレーシングカーのエンジンを手がけ、『尾川チューン』としてその名を知られた尾川自動車の尾川安宏会長が25日、病気療養中のところ亡くなった。

 尾川安宏さんは、尾川自動車の社長としてレーシングエンジンのチューニングをはじめ、チューニングカー用など、幅広いカテゴリーのエンジンを手がけた日本を代表する名チューナーのひとり。全日本F3000で使用されていたMF308エンジンのチューニングでは、東名チューン、無限チューン等、他のエンジンチューナーとしのぎを削った。

 また、ジュニアフォーミュラ等もはじめ幅広いエンジンを手がけ、多くの名ドライバー、チームを育て上げた実績をもつほか、GCやチューニングカー等、エンジンならば分け隔てなくチューニングを行い、『尾川チューン』は多くのチームに愛されてきた。

 近年ではスーパーGT300クラス用エンジンでも尾川チューンのエンジンは活躍しており、ARTA Garaiya用のVQ35DEエンジンや、トヨタMR-S用の2GR-FEエンジン等、尾川自動車のチューンにより爆発的に競争力が高まったエンジンが数多く存在する。レクサスIS350等に積まれたRV8Kのチューンも務めており、今季もOGT Panasonic PRIUSのエンジンチューンは尾川自動車が担当してきた。

 長年エンジンチューンを依頼してきたaprの金曽裕人監督によれば、尾川安宏さんは「まだ若い頃、叱られながらいろんなことを教えてくれた人。若い人たちに色んなチャンスをくれたし、たくさんのことを教えてくれた。レース界のお父さんみたいな人で、日本のレース界を下から支えてくれた」という。

 あまりメディアの前に出るようなタイプではなかったが、「愉快な人で、いつも笑いながら、でも目がキラキラとして、情熱が出ていた」と金曽監督。現在は、息子である尾川正洋さんに社長を譲っていたが、日本のモータースポーツ界からは惜しむ声が相次いでいる。心から哀悼の意を表します。

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