IRL第2戦セントピータースバーグの2日目、3回目のプラクティスでマシンの調整をしきれなかった佐藤琢磨だったが、予選前のセッティング変更が功を奏して「朝の状態からかなりリカバリーすることができ」マシンは期待できる状態となった。
　しかし予選では第2セッションでホイールナットの緩みからタイヤが外れてしまうことで、ベスト2タイムを抹消されてしまう。琢磨は予選前のウォームアップでもう一段高いところをセットアップの目標として、決勝を戦うことを楽しみとしている。

IZODインディカー・シリーズ 2010 第2戦
セントピータースバーグ
●予選：11位
「ペナルティを受けたが、マシンはリカバーできている。レースを経験することを楽しみにしている」

Q：開幕から2戦続けて予選の第2ステージに進みました。しかし、その第2ステージでタイヤが外れてしまいましたね。
A：今日1日、結構色々なことがありました。プラクティスではマシンのセッティングのバランスが悪くて、自分も縁石に大きく乗り上げるミスを犯してしまって、マシンを修理するために走行時間を大きく失ってしまいました。それもあって、予選前に良好なバランスを見つけることができなかった。

Q：では、プラクティスから予選へはセッティングを変更して臨んだんですね？
A：クルマはだいぶ変更しました。第1ステージでは何とかグリップ感も戻って来ていたし、バランスもそこそこ戻って来ていました。それで攻め込むことができたのですが、予選の第2ステージは路面ができ上がってきていて、ペースも上がった。そうしたコンディションの中、自分たちとしては、あと一歩グリップ感が足りない、という感じでした。予選第2ステージのはじめ、ホイールナットが外れてしまうトラブルにあってリズムが狂ってしまって、結構難しかったですね。
　結局、フルコースコーションを出したことでペナルティとしてベストラップとベストの次のラップが破棄されてしまう。そういう意味ではすべてがポジティブな1日ではありませんでしたね。それでも、今朝のプラクティスと比べたら、状態は大分リカバーできていた。
　明日の朝、ウォームアップでもう一段上に上げて、レースを走りたいと思います。とにかく、まずインディカーのレースを経験しないといけないので、そういう意味では明日を楽しみにしてます。

Q：天気の心配は？
A：前回のブラジルも天候で大きく荒れたんですけど、今回はどうなるのか？とにかく明日のウォームアップで天候に対応した良い状態を見つけられれば、と思います。

Q：第1ステージから第2ステージへと進んで、セッティングを変更しましたか？
A：はい。ベストの2周を消されちゃいましたが、それらのタイムはKVレーシングを進歩させることはできてます。
　でも、第1ステージから第2ステージでは、クルマを大きく変更することはできなかったのですが、多少は変えました。朝のプラクティスではものすごくバランスに苦しんだんで、それを取り戻した分だけでもかなり良かったと思うし、まぁ、第2ステージでね、もう1歩グリップ感が欲しかったんですけど、クルマはあちらを立てればこちらが立たずでね、バランスにはちょっと苦しみました。

Q：予選の最初からレッドタイヤを使いましたが、第1セッションはその1セットで走り切ったんですね？　第2セッションはまたレッドで走り出しましたが、新品だったんですか？
A：いえ、中古のでした。それでホイールが取れてしまうトラブルに遭ったんです。それでピットに戻ってから新品のレッドに変えました。

Q：最初からレッドで行くという作戦は、どういった狙いがあったのでしょう？
A：今朝のプラクティスで走行時間も限られ、バランスが大きくズレてしまっていたんで、予選で冒険はしたくなかったんですよ。予選の第1ステージでは早いうちにタイムを出しておきたかった。何があるかわからないんでね。もちろん、ブラックで最初出て行って、次にレッドに変えるってやり方もあるんですけど、ちょっとまだ様子を見なければいけない部分もあって、最初に行けるところまで行こうという考えでした。

Q：レッドの耐久性は感じ取ることができましたか？
A：ロングランはできてないです。レッドの印象は、走り出しは良かったものの、その後でグリップは落ちて行った。レースでそのあたりがどれぐらい影響するのか、経験してみないとわからないと思います。