最終戦の出場も叶わず、一足先に今シーズンを終えるかたちとなった山本左近が、自身のブログで“ジェットコースターのよう”と自ら表現した2010年を当時の思いと共に振り返った。
左近は「最終戦」と題した記事のなかで、開幕前からの出来事を順を追って振り返り、今季F1のチャンスがあると思っていなかったことや、5月のトルコGPでブルーノ・セナのシートを使ってF1マシンを走らせたことを挙げて、有名なターン8を他人のシートで走るのはある意味拷問だったと、冗談も交えて当時を思い返した。
また、初めて欠場を余儀なくされたシンガポールについても、「鈴鹿の前戦だったので、いきなり目の前が真っ暗になった感じでした。本当に本当に辛かった。もう何もかも嫌になった」と告白している。
だが、母国レースとなった日本グランプリでは、改めてファンの存在が自分の力になったと、ファンに対し感謝の思いを述べた。
「日本グランプリの鈴鹿に着くと、本当に大勢のファンの皆さんからの応援を直接感じることができて、本当に心から嬉しく思いましたし、頑張ろう、全力を尽くそうと改めて思いました。木曜日のピットではピットウォークに招待された地元の小学生のみんなが目の前で『歌を歌います』っていきなり歌ってくれて、感激して号泣しそうだった。いや、むしろしたくなった。それまでのすべてを吐き出しそうになった。でも、そんなカッコ悪い姿は見せれないと思って、一生懸命我慢しましたけどね。(苦笑)」
「メカニックたちも一旦作業を止めて聞き入ってたし、感動してました。言葉は違うけれど、音楽を通して心が通じ合うっていうことを改めて感じました。そして、サーキットのあちこちで、応援してくれているファンの皆さんの前で、常に全力で走り、良いレースができました。あの時、予選前から車はトラブルを抱えていたので、レースを完走できない可能性も十分にあったのですが、やっぱり日本GPが特別なパワーがあったなっと。皆さんからの応援のおかげだったのかなって思ってます」
左近は最後に、「自分の夢に前を向いて挑戦することがどれだけ素晴らしいことか、大切なことかってことを日本の皆さんに是非伝えたかった」とF1にカムバックする際に叶えたかったという思いを述べ、記事を締めくくった。
山本左近オフィシャルサイト http://www.sakon-yamamoto.com/