第96回インディアナポリス500マイルレースで最終ラップまで優勝争いを演じた佐藤琢磨は、レース後のコメントで、問題のスピンに関する自身の見解を示した。
「信じられないような週末でした。いえ、週末だけでなく、5月はまるで信じられないような1ヵ月間でした。僕は優勝目指して走っていました」と、琢磨はレース後にチームのプレスリリースで語っている。
勝負を分けたあの場面。前の周に抜いたスコット・ディクソンを置き去りにし、ストレートで先頭を走るダリオ・フランキッティのスリップストリームに入りその差を一気に縮めた琢磨は、アクセルを緩めることなく最終ラップの1コーナーでフランキッティのインサイドへ飛び込んだ。しかし、2度のインディ500制覇と4度のシリーズチャンピオン経験を持つフランキッティは、琢磨のインへの切り込みを巧みなライン取りでブロック。結果として、琢磨をスピンに追い込み、自身の勝利をたぐりよせた。
「ダリオと並んだときは『これで成功した』と心の中で呟きました。僕はダリオとサイド・バイ・サイドとなってターン1から脱出し、ターン2とターン3にはトップで進入できると期待していました。けれども、期待どおりにことは運びませんでした」
「彼はもう少しスペースを残しておくことができたし、そうすれば何の問題もなくコーナーをクリアできたはずです。ターン1に進入するときはもうホワイトラインの下側を走っていました。モノコックの中央とラインが重なっているくらいでした。ほとんどグリーンに乗り上げており、そこでマシーンがスライドを始めたのです」
なお、クラッシュを喫した琢磨は、救助にかけつけたマーシャルの呼びかけにも反応。レース後も通常通りチームのリリースにコメントを寄せていることから、心配されるほどの大きなケガなどは負っていないとみられている。
(コメントはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング プレスリリースより抜粋)