スーパーGT500クラスにウイダー モデューロ HSV-010で参戦している童夢の鮒子田寛社長は14日、2014年のスーパーGTのドライバーに関して、フレデリック・マコウィッキとの契約に関する権利を放棄すると明らかにした。
FIA-GT1世界選手権等ヨーロッパのGTカーレースで活躍してきたマコウィッキは、2013年シーズンに向けスーパーGT500クラスのシートを獲得。ホンダHSV-010 GTを走らせる童夢の一員として山本尚貴とコンビを組んだ。
今季童夢が装着したミシュランタイヤを良く知るマコウィッキは、山本とのコンビで第5戦鈴鹿1000kmでスーパーGT初優勝を飾るなど大活躍したが、鮒子田社長によれば、童夢はマコウィッキに関する2014年度の契約についてオプションを行使し14年度の契約を保有していたものの、これを放棄することになったという。
待望のメーカーとの契約を手に入れ、スーパーGTでの初年度で日本語も数多く覚えるなど日本での戦いに情熱を燃やしていたマコウィッキは、11月のJAF Grand Prixの時点ではスーパーGT参戦継続に強い意欲をもち、童夢との契約に基本合意。あとは詳細を詰めるだけだったという。
しかし、フランスへの帰国後マコウィッキは家族と相談したところ、家族から強い反対があり、契約を解除して欲しいとマコウィッキから童夢に連絡があったという。
その後童夢では、電話やメール等、またマコウィッキの友人を通じてなど、さまざまな形で説得を続けたものの、マコウィッキの家族に対する想いが強く、「残念ながら、彼の気持ちを変えさせるまでには至りませんでした」と契約放棄が決まった。
童夢としては、契約上の義務から日本でスーパーGTを戦うことを強制することも可能だったとのことだが、本人の気持ちを尊重。また、レースに対するモチベーションが希薄となることを懸念し、最終的に契約継続を断念したとのことだ。
マコウィッキを失う形となってしまった童夢だが、現時点では来季のドライバーは決定しておらず、現在候補者数名と交渉を開始しており、1月初旬には決定できるとしている。