英国AUTOSPORT誌が、モータースポーツのあらゆるカテゴリーから選んだ2014年ドライバートップ50を発表した。日本人としては唯一、中嶋一貴がランクインを果たしている。

 英国AUTOSPORT誌は2002年から毎年、その年のドライバートップ50を選出している。同誌にかかわる専門ジャーナリストたちが集まり、さまざまなカテゴリーで戦ったドライバーたちを評価し、その結果に基づきランキングが決定される。

 2014年には日本人で唯一、中嶋一貴が選出され、44位に入った。中嶋は今年スーパーフォーミュラでチャンピオンとなり、WECではル・マン24時間でポールポジションを獲得している。

「中嶋は2014年、3つのカテゴリーで戦い、万能なアンドレ・ロッテラーを凌ぐ活躍をした」と総評には記されている。
「世界に広く知られたWECでの活動の他に、母国日本のスーパーフォーミュラでタイトルを獲得、強敵相手に9戦中2勝を挙げた。スーパーGTではジェイムズ・ロシターと組み、2回の優勝を果たしている。ル・マン24時間では、信頼性のトラブルが起きなければ勝利を収めていた可能性が高かった」

 ここで引き合いに出されたロッテラーは、WECでの高いパフォーマンスが評価され、7位でランクインを果たした。

「今年も彼はスポーツカー分野のベストドライバーのひとりという評価を維持、それどころか評価をさらに高めたといってもいいほどだ」
「彼は今年ル・マン24時間でキャリア最高の走りを見せ、アウディにル・マン13勝目をもたらした。また、シーズンを通して、難しい状況の中でも常に最高レベルのパフォーマンスを発揮した。スーパーフォーミュラでも上位で戦い、F1デビュー戦においても見事なパフォーマンスを見せ、スパ24時間ではアウディR8で競争力を発揮、まさに万能ぶりを見せつけた」

 1位はF1でランキング3位を獲得したダニエル・リカルド。F1チャンピオンのルイス・ハミルトンを抑えてトップの座が与えられた理由は、以下のように記されている。

「リカルドの2014年シーズンはセンセーショナルだった。速さもスムーズさも併せ持った恐るべきレーサーであり、大きなミスをしない。今年の彼には批判すべき点は全く見当たらない」
「今年メルセデス以外で優勝したのは彼だけであり、ライバルに問題が発生した際にそれを自分のチャンスに変える、恐ろしいほどの才覚を見せた。また、チームメイトのセバスチャン・ベッテルを予選でも決勝でも上回るケースが多く、特に決勝パフォーマンスは強力だった」
「コース上でしっかり結果を出すだけでなく、クルマに乗っていないときにも立派なスターだった」

 2位はハミルトン、3位の座はF1ランキング6位でありながらフェルナンド・アロンソに与えられた。
 アロンソに関しては「フェラーリはこの5年間で最もアロンソの才能にふさわしくないマシンを作り出した」ものの「アロンソはわずかでもチャンスがあれば必ず結果を出してきた」と評価された。
 ちなみに、これまで英国AUTOSPORT誌が行ってきた13回の「年間トップ50ドライバー」の上位10人にF1ポイントシステムと同様の25-18-15-12-10-8-6-4-2-1のポイントを与えて集計したところ、アロンソが堂々のトップだということだ(2位はハミルトン、3位はセバスチャン・ローブ)。

 4位はDTMチャンピオンのマルコ・ウィットマン、5位はWRCチャンピオンのセバスチャン・オジェ、6位はF1ランキング2位のニコ・ロズベルグ、7位は前述のとおりロッテラー。8位はインディカーチャンピオンのウィル・パワー、9位はWECチャンピオンのセバスチャン・ブエミ、10位にはF1ランキング4位のバルテリ・ボッタスが入った。

 英AUTOSPORT誌が選んだ2014年トップ50ドライバーは以下のとおり。()内は評価において主に考慮されたカテゴリーとその順位。

1. ダニエル・リカルド(F1 ランキング3位)
2. ルイス・ハミルトン(F1 チャンピオン)
3. フェルナンド・アロンソ(F1 ランキング6位)
4. マルコ・ウィットマン(DTM チャンピオン)
5. セバスチャン・オジェ(WRC チャンピオン)
6. ニコ・ロズベルグ(F1 ランキング2位)
7. アンドレ・ロッテラー(WECランキング2位、ル・マン24時間ウイナー、スーパーフォーミュラランキング3位)
8. ウィル・パワー(インディカー チャンピオン)
9. セバスチャン・ブエミ(WEC チャンピオン)
10. バルテリ・ボッタス(F1 ランキング4位)

11. ケビン・ハービック(NASCAR チャンピオン)
12. ニール・ジャニ(WEC ランキング3位)
13. ストフェル・バンドーン(GP2 ランキング2位)
14. アンソニー・デイビッドソン(WEC チャンピオン)
15. ジェンソン・バトン(F1 ランキング8位)
16. カルロス・サインツJr.(フォーミュラ・ルノー3.5 チャンピオン)
17. ジョリオン・パーマー(GP2 チャンピオン)
18. ホセ・マリア・ロペス(WTCC チャンピオン)
19. ヤリ・マティ・ラトバラ(WRC ランキング2位)
20. エリオ・カストロネベス(インディカー ランキング2位)

21. ジェイミー・ウィンカップ(V8スーパーカー チャンピオン)
22. ニコ・ヒュルケンベルグ(F1 ランキング9位)
23. ジャンマリア・ブルーニ(WEC GTチャンピオン)
24. セバスチャン・ベッテル(F1 ランキング5位)
25. サイモン・ペジナウ(インディカー ランキング5位)
26. フェリペ・マッサ(F1 ランキング7位)
27. オリバー・ローランド(フォーミュラ・ルノー3.5 ランキング4位)
28. エステバン・オコン(F3ヨーロッパ チャンピオン)
29. ダニール・クビアト(F1 ランキング15位)
30. マックス・フェルスタッペン(F3ヨーロッパ ランキング3位)

31. ブラッド・ケゼロウスキー(NASCAR ランキング5位)
32. アレックス・リン(GP3 チャンピオン)
33. ローレンス・バンスール(ブランパン チャンピオン)
34. マティアス・エクストローム(DTM ランキング2位)
35. ピエール・ガスリー(フォーミュラ・ルノー3.5 ランキング2位)
36. イバン・ミューラー(WTCC ランキング2位)
37. コリン・ターキントン(BTCC チャンピオン)
38. ファン-パブロ・モントーヤ(インディカー ランキング4位)
39. トム・ブロンクビスト(F3ヨーロッパ ランキング2位)
40. ロマン・グロージャン(F1 ランキング14位)

41. ティエリー・ヌービル(WRC ランキング6位)
42. ケビン・マグヌッセン(F1 ランキング11位)
43. ディーン・ストーンマン(GP3 ランキング2位)
44. 中嶋一貴(スーパーフォーミュラ チャンピオン、WECランキング8位)
45. ペター・ソルベルグ(ワールドRX チャンピオン)
46. ジュール・ビアンキ(F1 ランキング17位)
47. ニック・タンディ(ユナイテッド・スポーツカー・レーシング ランキング11位/GTLM)
48. スコット・マクローリン(V8スーパーカーズ ランキング5位)
49. クリス・ミーク(WRC ランキング7位)
50. アール・バンバー(ポルシェ・スーパーカップ チャンピオン)

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