プレスインフォメーション
2013年2月08日

ポルシェ911の50年

日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)の911はその誕生から50年にわたりポルシェブランドの要であり象徴的なスポーツカーであり続けています。シュトゥットガルトで開催されるクラシックカーのショー「レトロクラシック」への出展を皮切りに、ポルシェでは様々な記念イベントを予定しています。

 世界を見渡しても、ポルシェ911のように長い伝統と継続性をもつモデルはほとんどありません。1963年9月のIAAフランクフルトモーターショーで901として展示されて以来、世界中の自動車ファンを感動させてきました。究極のスポーツカーである911は今日、世界のスポーツカーのベンチマークと見なされるモデルであり、またポルシェのアイコンでもあります。カイエンからパナメーラまで、すべてのポルシェが各カテゴリで最もスポーティな車であり、911の哲学を受け継いでいます。

 これまで82万台も生産されたポルシェ911は、世界で最も成功を収めたスポーツカーです。7世代に及ぶ911は、ツッフェンハウゼンとヴァイザッハのエンジニアによって進化し続け、そのたびにポルシェブランドの革新力を世界に示してきました。スポーツ性と日常における実用性、伝統と革新、独自性と社会的受容性、デザインと機能のように相矛盾する特性を調和させた車は、911の他にありません。各世代が独自のサクセスストーリーを刻んでいるのも不思議ではありません。フェリー・ポルシェは、911の特徴について最も的確なコメントを残しています。「911は、アフリカのサファリ・ラリーでもフランスのル・マンでも、劇場に出向くときであれ、ニューヨークの街中であれ、どこにでも行ける唯一の車です」。

 ポルシェ911は、そのユニークかつ伝統的なデザインに、常に先進テクノロジーが導入されてきたモデルです。911で初めて導入されたアイデアとテクノロジーの多くは、サーキットからフィードバックされたものです。911はパフォーマンスを最優先するモデルとしてデビューし、モータースポーツを最も重要な実験の場としてきました。デビュー当初から今日まで世界中のサーキットで活躍し、万能で頼もしい勝者としての評判を得てきました。事実、ポルシェがレースで挙げた3万回もの勝利のうち、優に3分の2以上が911によるものです。

ポルシェの記念イベント
 50周年イベントの皮切りとして3月7~10日にシュトゥットガルトで開催される「レトロクラシック」ショーにポルシェミュージアムが4台を特別展示いたします。初期の911ターボクーペ、1981年以降の911カブリオレスタディー、1997年の公道仕様911 GT1、プレシリーズタイプ754 T7の展示です。フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェがデザインしたこのタイプ754 T7が、911のデザインにつながる道標となりました。

 また、ポルシェは1967年式911でワールドツアーを行う予定です。年間を通じて、このクラシカルな911が、カリフォルニア州ペブルビーチ、上海、イギリスのグッドウッド、パリ、オーストラリア、そして日本を巡ります。ポルシェブランドの大使として、このクラシック911が数多くの国際見本市やモータースポーツイベントに参加する予定です。ファンや興味のある方は、porsche.com/follow-911で911の進化を辿ることができます。

 ポルシェミュージアムは、2013年6月4日から9月29日にかけて「ポルシェ911の50年」を祝い、911の歴史と開発をテーマにした特別展示を行います。この春、ミュージアムが保有する出版社Edition Porsche-Museumが「911×911」というタイトルの記念版を刊行します。

歴代モデル
初代の911(1963年) – 伝説の誕生
 ポルシェ356の後継車として911は、誕生時からスポーツカーファンの心をとらえました。1963年に開催されたIAAフランクフルトモーターショーでプロトタイプが901として発表され、1964年には911に名称が変更されて市場に導入されました。最高出力130PSの空冷水平対向6気筒エンジンを搭載し、210km/hの最高速度を誇り、また1965年には廉価版の4気筒エンジンを搭載したポルシェ912が導入されました。1966年には、フックス社製の鍛造アロイホイールが与えられた最高出力160PSの911 Sが発表されました。独特のステンレス鋼のロールバーを組み込んだ911タルガが、安全機能を備えた史上初のカブリオレとして1966年後半にデビュー、またセミオートマチックのスポルトマチック4速トランスミッションが1967年にラインナップに加わりました。同じ年に発売された911Tと、その後のEおよびSモデルにより、ポルシェはドイツメーカーとして、厳しい米国排出ガス規制を初めてクリアしました。2.0リッターからスタートした911は、2.2リッター(1969年)、そして2.4リッター(1971年)へと排気量が上がるとともに、ますますパワフルになりました。車両重量が1000 kg未満ながらも最高出力210PSを発生した2.7リッターエンジンを搭載した、1972年に発表された911カレラRSは、今でもドリームカーであり続けています。その独特な「ダックテイル」は、世界で初めて量産車に装備されたリアスポイラーでした。

Gモデル(1973年) – 第2世代
 911の発売から10年後、ポルシェのエンジニアは911に最初の徹底的な見直しを行いました。Gモデルは1973年から1989年にかけて生産されましたが、これは、他のどの911世代に比べても長い期間です。Gモデルの特徴は蛇腹状のバンパーでした。これは、米国における当時最新の衝突試験基準を満たすように設計された革新的な装備です。標準装備の3点式シートベルトと一体型ヘッドレストにより、乗員保護性能がさらに高められていました。911ストーリーで最も重要な節目の1つは、最高出力260PSを発生した3.0リッターエンジンと大型リアスポイラーが与えられたポルシェ911ターボが1974年に発表されたことです。豪華さと性能を独特な形で融合した911ターボは、ポルシェの神秘性の代名詞になりました。そして1977年にはインタークーラーを搭載した911ターボ3.3の登場で性能がさらに高められ、911ターボ3.3はクラス最高の300PSを誇りました。1983年には、最高出力231PSの3.2リッター自然吸気エンジンを搭載した911カレラがSCに取って代わり、マニアの羨望を集めました。1982年にはオープンカーファンも911を楽しめるカブリオレが加わりました。1989年に発売された911カレラスピードスターは、50年代の伝説的な356を彷彿とさせるモデルでした。

964(1988年) – クラシックモダン
 自動車専門家が1つの時代の終わりが迫っていると予告していた1988年に、ポルシェは911カレラ4(964)を発表しました。Gシリーズのデビューから15年後に、85%が新しい部品となるなど911のプラットフォームは根本的に刷新され、現代的で持続可能な車へと生まれ変わりました。搭載されたのは、最高出力250PSを発揮する空冷水平対向3.6リッターエンジンでした。964と先代モデルのエクステリア上の相違点は、空気特性に優れたポリウレタンバンパーと自動的にせり出すリアスポイラーを除けばほとんどありませんが、インテリアは大きく変更されました。ニューモデルは、スポーティな性能だけでなく高い快適性においてもドライバーを魅了するように設計されました。ABS、ティプトロニック、パワーステアリング、エアバッグを装備し、シャシーのデザインが一新され、軽合金コントロールアームとトーションバーサスペンションに代わってコイルスプリングが採用されました。この新しい911シリーズにおける革命的なモデルは、4輪駆動のカレラ4でした。カレラクーペ、カブリオレ、タルガの各モデルに加え、1990年には964ターボが加わりました。エンジンは実績のある3.3リッター水平対向エンジンでしたが、1992年に、より強力な最高出力360PSの3.6リッターエンジンにグレードアップされました。現在は、964カレラRSと911ターボS、911カレラ2スピードスターがコレクターの間で特に人気を博しています。

993(1993年) – 最後の空冷モデル
 コードネーム993の911は、今でも多くのポルシェドライバーに心から愛されているモデルです。その大きな理由は、とても魅力的なデザインです。一体型バンパーが洗練されたスタイルの気品を際立たせています。フロントセクションが先代モデルよりも低くなりましたが、これは、丸型から複合楕円型に変更され傾斜したヘッドライトによるものです。993は、瞬く間にその高い信頼性で名声を獲得しました。993は、新設計のアルミシャシーが採用された最初の911で、敏捷性にも優れています。ターボモデルはツインターボ化され、1995年には排出物質が世界で最も少ない自動車エンジンとなりました。これまでどの車でも用いられていない中空スポークアルミホイールも4輪駆動ターボの技術革新の1つでした。ポルシェ911 GT2は、さらに高速走行に熱狂するスポーツカーマニア向けのモデルでした。911タルガではリアウィンドウの下に滑り込む電動式ガラスルーフが技術革新の1つでした。しかし、真のポルシェマニアが今でも993を崇拝している本当の理由は、1993~1998年に生産されたこのモデルが、空冷エンジンを搭載した最後の911であったということです。

996(1997年) – 水冷
 1997~2005年に生産された996は、911の歴史の中で大きな転機となりました。996は、その伝統的な特徴をすべて継承しながらも、全く新しい車でした。全面的に見直されたこの世代からエンジンは水冷式となり、4バルブシリンダーヘッドのおかげで、最高出力は300PSを発揮、排出ガスとエンジン音、燃料消費量の低減において新たな基準が打ち立てられました。エクステリアは911の伝統的なデザインを踏襲していますが、空気抵抗係数(cW)が0.30と低くなっています。共に成功をおさめたボクスターと部品を共有した996の最も際立つエクステリアの特徴は、ウインカーを内蔵したヘッドライトでした。これは当初、賛否両論を呼びましたが、後には他の多くのメーカーが模倣するまでに至りました。インテリアでは、コックピットが刷新され、スポーツカーとしての典型的な特徴に加え、ドライビングコンフォートも、さらに重視されるようになりました。996では前例のない新しいバージョンが積極的に導入されました。カレラRSの伝統を引き継ぐ911 GT3が1999年に誕生、さらにセラミックブレーキを初めて標準装備した究極のスポーツカー、911 GT2が2000年秋に登場しています。

997(2004年) – 古典主義と現代性
 2004年7月にポルシェは、新世代の911カレラと911カレラS(コードネーム997)を発表しました。透明な楕円形ヘッドライトとウインカーは、見た目が先代の911と同様ですが、997では、単なるスタイル以上のものが刷新されています。997は最高出力325PSの3.6リッター水平対向エンジンが搭載されたハイパフォーマンスカーで、さらにカレラSには驚異的な355PSを発生する新しい3.8リッターエンジンが搭載されていました。シャシーも大幅に改良され、カレラSは、ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステムを標準装備していました。2006年には、911ターボが導入され、これは可変タービンジオメトリーを備えるターボチャージャーを搭載した初めてのガソリンエンジン車でした。2008年秋の年次改良でダイレクト・フューエル・インジェクションとデュアルクラッチトランスミッションが採用されたことで、997の効率性がさらに高められました。カレラ、タルガ、カブリオレ、後輪駆動/4輪駆動、ターボ、GTS、スペシャルモデル、GTレーシングカーのホモロゲーションモデルなど、ドライバーの個人的な好みがこれほど広範に考慮されることは911シリーズでこれまで一度もありませんでした。その結果、911シリーズは最終的に24のバージョンが用意されることになりました。

991(2011年) – 経験に基づく洗練
 コードネーム991と呼ばれているこの車は、911の進化において最も大きな技術的飛躍を遂げたモデルです。911は既に数10年も同クラスのベンチマークでしたが、新世代911で、性能と効率性がさらに引き上げられています。全く新しいサスペンション、延長されたホイールベース、ワイド化されたトレッド、大径化されたタイヤ、人間工学的に最適化されたインテリアがスポーティで快適なドライビングエクスペリエンスをもたらします。技術面では911は、優れた燃費と性能を実現する「インテリジェントパフォーマンス」の典型です。これが達成された要因は、カレラのベースモデルの排気量が3.4リッターにダウンサイジングされたこと(にもかかわらず997/IIよりも5PS向上)と、スチールとアルミのハイブリッド構造(これにより、大幅な軽量化を達成)です。他の技術革新として、ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)と世界初の7速マニュアルトランスミッションが挙げられます。991のデザインもジャーナリストから絶賛されています。フラットですらりと伸びたシルエット、刺激的な輪郭、精密な細部を兼ね備える第7世代のポルシェ911カレラが、カーデザインの基準を再び打ち立てたことに疑いはありません。最新の911は最良の911なのです。

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