9月19日(金)にオーストラリア西海岸のパースでスタートしたオーストラリアン・サファリは、20日(土)のプロローグランを経て21日(日)からレグ1として本格的に競技がスタート。23日(火)のレグ3が終了した時点で、ホールデンVFをドライブするスティーブ・ライリーが首位につけている。唯一のエレクトリックカー、三菱アウトランダーPHEVで出場のスティーブ・グレニーはプロダクションカーに近い仕様のマシンながら総合13位、クラストップと健闘中だ。
21日(日)の朝ジェラルトンを発った選手達は、海岸線からやや内陸……とはいってもそれはビッグスケールなオーストラリア基準で、実際は100km以上もインド洋から離れた荒野を一気に北上した。21日のレグ1はジェラルトンからマーチソンに至る433km(うちSSは282km)を走行し、22日(月)のレグ2はマーチソンからさらに北のガスコインジャンクションまでの503km(うちSSは427km)を走行。そして23日(火)のレグ3は、ガスコインジャンクションから東側のマウント・アウグストゥスを目指し、再びガスコインジャンクションへと戻る621km(うちSSは401km)というコース設定。パースをスタートしてからの総走行距離はすでに2000kmを軽く越えている。
レグ1からレグ3にかけてのコースは、基本的にすべてグラベルロードだ。見渡す限りフラットな赤土の道が続くが、それでも各SSごとにコースの特性は異なる。ひたすらアクセルを踏み続けるハイスピードなセクション、激しい凹凸が続くラフロード、まるで砂漠のような砂地の道、そしてWRCのコースのようなワインディングロード等々、コースのバリエーションは実に幅広い。
出場車両はオフロード専用マシンが多く、プロトタイプやバギーなどダカールラリーに出ているようなハイパフォーマンスマシンがやはり上位に来ている。その中で、プラグインハイブリッドで、しかも市販車に近い内容のアウトランダーPHEVは大健闘しているといえるだろう。ステアリングを握るグレニーは、なるべくマシンに負担をかけないような運転を続け、そしてPHEVのツインモーターの力が最大限に発揮されるようなエネルギーマネージメントを実践。同行する三菱のエンジニアのアドバイスを注意深く聞き冷静な走りを続けている。レグ2では荒れた路面で下まわりを何度か強く打ったが大きなダメージはなく、レグ3ではパンクを3回喫するも遅れを最小限に留め現在総合13位。「なるべく負担をかけない走りでアウトランダーPHEVをフィニッシュに導く」という、スタート前の言葉どおりの戦いを続けている。
レグ3でラリーは全SS走行距離の半分近くを走破したことになるが、先はまだまだ長い。脱落する選手も日々増えており、体力的に厳しくなるこれからの2~3日が戦いの正念場である。