BMWとアウディのチーム代表は、将来北米で計画されているDTMドイツツーリングカー選手権/スーパーGT規定のレースについて、アメリカの自動車メーカーの参加が不可欠だろうと語っている。
DTMとスーパーGT、そして北米でスポーツカーレースを開催しているIMSAは、将来DTM/スーパーGT500規定による北米DTMレースの開催を目指しているが、現在2016年にその先駆けとなるレースを開催し、17年に統一車両規定を使ったレース開催を目指すとしている。
BMWモータースポーツの代表を務めるイェンス・マルカルトと、アウディスポーツのDTM代表を務めるディーター・ガスは、2017年の開催に向けては、アメリカの自動車メーカーの参加が不可欠だと語った。
マルカルトは、北米シリーズでDTMとスーパーGTの規定の車両のレースを行うには、アメリカメーカーの参加のための説得をすることが最も高いハードルだと英AUTOSPORTに語っている。
「最も大事な事は、アメリカのマニュファクチャラーにアイデアを買ってもらうことだ。1戦か2戦アメリカでレースをするならいいだろうが、10戦程度のシリーズ戦をするならば、アメリカの自動車メーカーが必要だ」とマルカルト。
ガスはこのマルカルトの意見に賛同し、こう語る。
「少なくとも我々ドイツメーカーに加え、日本のメーカーの参加も必要だ。それよりもいいのは、アメリカ国内のメーカーが参加することだ。ドイツメーカーだけのレースを北米でやるのは想像が難しいね」
このDTM/スーパーGT規定のレースについて、現在のところ北米の“ビッグスリー”と呼ばれるゼネラルモータース、フォード、クライスラーはまだ明確な支持を示していない。
GMレーシングの代表を務めるマーク・ケントは、IMSAがすでに運営しているユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)で2カテゴリーを戦っている状況にあり、追加のプログラムが必要かどうかは疑わしいと語る。
「我々はDTM/スーパーGT規定のレースがどう発展していくかを見続けている。ただ、現状我々は(GT-LMクラスの)コルベット・レーシングのプログラム、(プロトタイプクラスの)コルベットDPの活動に満足している」とケント。
「我々はUSCCに大きなマーケティングのプラットフォームをもっている。DTM/スーパーGTプログラムを加えるだけの、何か説得力がある理由がなければならないだろう」
DTMを運営するITR e.Vのハンス-ベルナー・アウフレヒト代表は、DTM/スーパーGT規定の国際的なルールブックの作成を進めることにより、アメリカの自動車メーカーに対し説得力のある理由を提供できるだろうと語る。
「この技術規則、そしてヨーロッパ、日本、アメリカで、グローバルに知られるマニュファクチャラーが相互に参加できるというオプションがアメリカの自動車メーカーを惹きつけることに疑いはない」とアウフレヒトは自信をみせた。
「この規格はマニュファクチャラーを納得させるはずだ。実現できると自信をもっているよ」