D1グランプリがロシア・ウラジオストクに初上陸!
日本を代表する8名のD1GPトップドライバーが現地シリーズの精鋭と激突!
2014日9月19日(金)~21日(日)
D1 PRIMRING GRAND PRIX
発足から14年、アメリカ、イギリス、タイ、マカオと、さまざまな国でイベントを開催して来たD1だが、今回はロシアにてイベントを初開催することとなった。ロシアのなかでも東の都として栄え、成田空港から約2時間、時差もたったの+2時間という都市であるウラジオストク。ここに建設中のサーキット"プリムリング"のパドックエリアに特設コースを建設し、サーキットのオーナー企業でもあるスモトリマシナリーグループ(代表ヴェルキーンコ ヴィタリー氏)と協力してD1プリムリンググランプリを開催した。
イベントは金土日の3日間で、金曜日と土曜日に現地ドリフト競技シリーズで9年の歴史を持つRDS(ロシアドリフトシリーズ)の第5戦がおこなわれ、日曜日にD1GP vs RDSのエキジビションマッチがおこなわれた。
ロシアではじめてのD1イベントということもあり、現地ドリフトファンの期待感は想像以上! 予想を大きくうわまわる3日間で13,000名以上の観客が集まり、大観衆の見守るなか、熱く激しい戦いが繰り広げられた。
Tanso Qualify – 単走予選
23才のイディアトゥーリンが1位通過!
D1GP vs RDSのエキジビションマッチでは、D1GP代表の8名とRDS代表の16名の計24名によって争われる。まずおこなわれたのはRDS代表選手を決める単走競技。RDS第5戦の単走予選(16名が追走進出できる)が選抜競技の役割を兼ねられた。
日本とはちがい本番本数が3本ある単走予選だが、RDSでは3速まで入るレイアウトがあまりないらしいこともあり、1コーナーから2コーナーにかけての高速振り返しで失敗するケースが多くクラッシュも多発。参加選手のなかでもレベル格差の大きいRDSでは、下位グループから追走進出を決める選手はほとんどあらわれなかった。
しかし上位グループになると状況が一変。多少のふらつきやミスはみられたものの、3本でまとめてくる選手も多く、つぎつぎと得点が塗り替えられる。
トップ通過したのはRDS西シリーズで活躍するディマ イディアトゥーリンで、キレのある飛び込みからただひとり99点台をたたき出した。つづいて2位通過を決めたのは、昨年のTOKYO DRIFTでも8位入賞した"ゴーチャ"ことジョージ チフチャン。3位には今シーズンからRDSに参加して"ヒビーニョ"と呼ばれて親しまれている日比野哲也が入った。
Tsuiso Qualify – 追走予選
RDSの実力者が続々と勝ちあがる!
土曜日におこなわれたRDS第5戦の最終順位をもとに組み合わせが決められ、いよいよはじめられるD1GP vs RDSのエキジビションマッチ。RDS代表選手16名で争われる追走予選では、じゅうぶんな追走シミュレーションが朝イチからおこなわれていたため、かなり熱い対戦が繰り広げられた。
とくに印象深かったのは、2012年、2013年のRDSシリーズチャンピオンであるイリヤ フェトロヴと、昨年のTOKYO DRIFTでも活躍して8位入賞した"ゴーチャ"ことジョージ チフチャンの対戦だ。超人気選手どうしの対戦は期待感も最高潮! 追走予選でいちばんの盛りあがりを見せた。
まずはゴーチャ先行の1本目、1コーナーの振り出しではやや距離をあけていたイリヤだったが、審判席まえまでにスルリと寄せてきて、その後は感覚をキープ。ゴーチャが8ランクだったに対して9ランクの評価を得て1ランクのアドバンテージを獲った。入れ替えた2本目、こんどは後追いのゴーチャが魅せた。1本目のイリヤと同様に相手の懐に入り込み8対9でゴーチャが取り返して再戦に突入した。
しかしその1本目、後追いのイリヤは4コーナーで戻ってしまい、入れ替えた2本目も振り返しでスピンしてしまったため、ゴーチャが勝ちあがることとなった。全体的にはおおむね単走でも上位の選手が勝ちあがる結果となり、D1GP8選手と対戦するRDS代表の8名が決定した。
Tanso Final – 単走決勝
思い切った飛び込みで内海がトップ通過!
つづいておこなわれた競技は、ベスト16追走決勝トーナメントのD1GP代表選手が入る組み合わせを決めるための単走決勝だ。RDS代表選手を決定する単走予選とはちがい、最後はドリフト駐車でフィニッシュとなるためDOSS得点はそれほどよくならない傾向にあるなか、余裕の90点オーバーを連発!
なかでも内海は高い車速からキレのある振り出し&振り返しで審判員席まえに飛び込み、97点オーバーを獲得。ドリフト駐車はミスったものの、これは得点に反映されないため、トップ通過を果たした。つづいたのはトラブルつづきで練習走行はあまりこなせなかったものの、本番ではきっちりと決めてきた齋藤太吾で、3位には練習走行から好調だった手塚が入った。
Tsuiso Final – 追走決勝
末永がまさかのミスで齋藤が優勝!
ついにはじまった記念すべきD1GP vs RDSの追走バトル。ベスト16はかならずD1GP選手 vs RDS選手の対戦となった。RDS選手のレベルは予想以上に高かったものの、安定度で勝るD1GP選手が1回戦ではおおむね勝ちあがる結果となった。しかし、2本ともミスのあった川畑と古口がここで敗れ、ヒビーニョと呼ばれて親しまれ、RDSでも活躍する日比野と対戦した上野が、接戦のすえここで敗れた。
ベスト8で見どころとなったのは齋藤とゴーチャの対戦だ。ゴーチャはRDSでも屈指の人気選手なだけあり、スタート時にデフブローした彼が復活できるとわかるやいなや、愛称である"ゴーチャ"コールが鳴り止まない! 対戦もかなり熱いものとなり、決着は再戦に持ち越された。しかしその1本目、後追いのゴーチャにミスが発生! 入れ替え2本目は齋藤がキッチリと寄せきって齋藤がベスト4に進出した。
ベスト4に進出したのは、今村、末永、齋藤、日比野の4名。まずは今村と末永が対戦して再戦までもつれるも、最後は末永の寄せが勝って勝利。齋藤と日比野の対戦は、齋藤先行時にイーブンしかとれなかった日比野に対して、齋藤はキッチリとアドバンテージを獲って決勝戦に進出した。
決勝は末永と齋藤の対戦だ。まずは末永先行の1本目。末永も悪くない飛び込みから8ラクを獲る走りを決めたが、齋藤は2ランク差まではいかないものの、振り出しからかなり近い距離で寄せきって9.5ランクを獲得した。そして2本目「この差なら再戦か!?」と思われたが振り出しで末永があり得ない距離から進入! しかし距離がわずかに近すぎたか、振り返しで接触があり、末永のフロントアームが破損! 末永はこれで走行不能となったため齋藤が記念すべき大会の初王者の栄冠を獲得した。