F1カナダGPの予選後、定例会見に出席するべくマクラーレンのホスピタリティに集まったメディアは待ちぼうけを食わされることになった。メディアだけでなく、会見に出席するフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトン、チーム首脳陣さえ中に入れず、外で待たされていた。
内部ではマクラーレン・グループCEOのロン・デニスと大株主マンスール・オジェの話し合いが続いていたのだ。ある関係者によると、2年前に起きた“個人的な事件”によって両者の関係は悪化しており、ふたりだけで話すのは珍しいことだと言う。いま、マクラーレン内部で何が起きているのだろうか。
マクラーレン・テクノロジー・グループの株式はデニスが25%、オジェが25%、バーレーンの投資会社マムタラカトが50%を保有している。オジェとマムタラカトの関係は深く、彼らの意向は無視できない。デニスは全権を掌握するべく株を買い取って100%オーナーになりたいと考えているが、いまだ資金調達の目処は立っていないという状況だ。
今季マクラーレンのドライバーが、なかなか決まらなかった背景にもチーム内の権力闘争があった。デニスはケビン・マグヌッセンのシートを確保する代わりに、デンマークからの資金調達を画策。しかし、バトンを支持するオジェとマムタラカトが受け入れなかったため、アロンソとバトンのコンビに落ち着いたのだ。
また、オジェはマクラーレンの株式を第三者へ売却することを考えており、その候補としてカナダ人の富豪ローレンス・ストロールの名前が挙がっている。ストロールは息子ランスが所属する「フェラーリ・ドライバー・アカデミー」にも投資を続けており、息子のF1デビューを叶えるために使える資産は十分にある。
マクラーレン内部の権力闘争は、どこへ向かうのか。そして実権を握る人物は、どのようにチームを立て直していくべきなのか。くわしくは『F1速報』カナダGP号に掲載の「話題の深層」を読んでいただきたい。
F1速報カナダGP号
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=7750
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http://www.as-books.jp/books/info.php?no=FSH20150611