F1第16戦ブラジルGPの予選は地元のルーベンス・バリチェロがトップタイムをマークし、今季初のポールポジションを獲得した。2番手はマーク・ウエーバー(レッドブル)、3番手にはエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)が入った。トヨタはヤルノ・トゥルーリが4番手、小林可夢偉は11番手。ウイリアムズの中嶋一貴はQ3進出を果たし9番手につけた。
予選は現地時間の午後2時から。しかし現地インテルラゴスは合間に一旦雨が止んだものの開始前になって再び降り始め、セッションは直前のフリー走行と同様にひどいウエット路面の中でスタートの時刻を迎えた。気温、路面温度はともに17度、湿度は97%。
Q1
予選最初のQ1は20分で争われ5台のマシンが脱落する。午後2時、セッションは予定通り始まるが、コース上は一面が水びたしの状態で全車は大雨用のウエットタイヤを履いてコースへと向かう。そんな中、開始5分に早くもジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ)がアクアプレーニングを起こして2コーナーでスピン、ストップしてしまう。これでセッションは早くも1回目の赤旗が出されることになったが、フィジケラのマシンが撤去されてもセッションはすぐに再開されず。路面状況の悪化を見たオフィシャルは、天候の回復を見てセッションの再開を待つとのアナウンスを行った。
およそ15分の中断の後、現地時間の午後2時18分にようやくセッションは再開される。ここでは各車すぐにコースへと向かい有効となるタイムを記録しようと早めに計測ラップを行っていく。そんな中、序盤10分の間にウイリアムズの2台がうまく1周をまとめて上位に進出、ニコ・ロズベルグがトップに立ち中嶋一貴も4番手につける。トヨタの小林可夢偉も7番手とまずまずの滑り出しをみせた。
一方で、残り5分を前に若干雨量が増え始めタイムアップが困難となると、脱落圏内にいるマクラーレンの2台はラストアタックを断念。この時点で16番手のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)もラストアタックを試みたもののまともに走れる状況にはなく、チェッカーを受けずに直接ピットに戻ってきてしまう。これでQ1脱落が決定したベッテルはマシンを降りたところで不満を露わにした。
Q2
予選トップ10進出を争うQ2は15分。セッションはQ1の終盤から強まってきた雨のせいもあって、開始時刻が予定の14時41分から15分近く後らされ、14時57分にスタートとなる。
しかし、セッションは開始直後に再び赤旗が出される事態に。今度はビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)がホームストレート上でアクアプレーニングを起こし、ピットウォールに跳ね返され1コーナー外側のウォールにクラッシュしてしまう。これでセッションはまたも中断。その後はオフィシャルカーによって路面のチェックが15分おきに何度か行われることとなった。
現地時間午後4時10分、セッションは残り12分24秒で再開された。雨はほぼ止んで雲の隙間からは日も差し始めている。
リウッツィを除く14台が開始とともにコースイン。すぐにタイム計測が始まり上位陣が1分21秒台に入っていくと、ウイリアムズの2台がタイヤをインターミディエイトに履き替える。すると残り数分になってこのタイヤチェンジが功を奏しロズベルグがトップタイムを奪取、中嶋一貴も僅差の2番手につけた。3番手にはトヨタのトゥルーリが続いた。
ジェンソン・バトン(ブラウンGP)は最後までタイヤを変えずにタイムアップを図ったが結局14番手であえなくQ2脱落。トヨタの小林可夢偉も最後までトップ10圏内をキープしていたが、ラストアタックでスピンを喫したことが響き、バリチェロにはじき出されるかたちで11番手に終わった。
Q3
ポールポジションを決するQ3は10分間の争い。10台のマシンはいずれもインターミディエイトタイヤを装着してコースインする。
セッションは開始序盤からトップタイムが次々と更新されていき、終盤はバリチェロとウエーバーの対決となる。タイムも1分19秒台の争いとなり、最後はバリチェロが1分19秒576をマークしてウエーバーをコンマ1秒下して今季初のポールポジションを獲得した。3番手はスーティルがラストアタックでトゥルーリを逆転。5番手キミ・ライコネン(フェラーリ)の後ろにはトロロッソのセバスチャン・ブエミが入った。Q3進出を果たした中嶋一貴は、終盤のアタックでタイム更新できず9番手となったが、ひさびさのシングルグリッドでシーズン初ポイントに向けまずまずの結果を手にした。
今回の予選は、途中の中断を含め終了まで2時間41分と非常に長いセッションとなった。明日の決勝は現地時間午後2時、サマータイムがこの日から始まるため日本時間では深夜1時のスタートとなっている。