F1第15戦日本グランプリの決勝が4日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインを決め、鈴鹿初レースを優勝で飾った。2位にはヤルノ・トゥルーリが入りトヨタは日本グランプリで初の表彰台を獲得。3位にはルイス・ハミルトン(マクラーレン)が入った。ウイリアムズの中嶋一貴は15位に終わっている。
決勝を迎えた日曜日の鈴鹿サーキットは雲ひとつない秋晴れ。レース開始午後2時の気温は26度、路面温度は40度まで上昇し、絶好のコンディションでレースのスタートを迎えた。前日の予選で4番手につけたエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)をはじめ多くのドライバーがペナルティやギヤボックス交換などでグリッド降格となったが、フロントロウは予選の結果通りベッテルがPPに、トゥルーリ2番手。なおレッドブルのマーク・ウエーバーはピットレーンからのスタートとなっている。
レースはポールスタートのベッテルが無事にオープニングラップを飾ると、スタートで2番手に上がったハミルトン以下後続を引き離しにかかる。ベッテルは序盤、ファステストラップを連発していき10周目にはハミルトンに対し4秒の差を築き、その後もジワリジワリとリードを広げていく。一方、3番手にポジションを下げたトゥルーリはそのポジションをキープし続け、ハミルトンの約2秒後方で前の2台になんとか食らいついていった。
15周目になると2番手のハミルトンが最初にピットストップを行う。上位勢ではトゥルーリが17周目、バトン18周目、先頭のベッテルは19周目にピットストップを行い上位陣の形成は変わることなくそれぞれコースに復帰していった。
1回目のストップがほぼ終わった時点の順位はベッテル、ハミルトン、トゥルーリ、ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、キミ・ライコネン(フェラーリ)、ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)、ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ)、ジェンソン・バトン(ブラウンGP)というトップ8。レースの30周目を過ぎ先頭をいくベッテルは6秒をリード。3番手トゥルーリはハミルトンの約3秒後れで留まり、依然粘りの走りを見せている。
レース中盤はハイドフェルドとライコネンが単独走行ながらも4番手争いを繰り広げる。そのバトルは36周目からの2回目のピットストップに持ち込まれ、結果ライコネンが4番手のポジションを奪った。
一方、2番手争いでも動きがあり38周目にハミルトンが2回目のピットストップを実施。これを見たトゥルーリがここで猛烈にプッシュしてパーソナルベストをマークすると、そのまま39周目に2回目のピットストップを行い素早い作業でコースに復帰。そのがんばりが実を結びハミルトンから2番手のポジションを奪うことに成功した。
これによりトゥルーリとハミルトンの2番手争いが激しくなり、ハミルトンはトゥルーリのスキをうかがいながらの走行。ところが45周目にトロロッソのハイミ・アルグエルスアリが130Rで単独クラッシュを喫し、レースはセーフティカー先導となってバトルは一時中断。セーフティカーは49周が終わるまで隊列を引っ張り50周目からレースは再開となる。しかし、残り3周で順位が大きく変わることなくレースはそのままチェッカー。優勝はベッテルとなり、鈴鹿初レースにして見事ポール・トゥ・ウインを飾ることとなった。
また2位に入ったトゥルーリは、トヨタに日本グランプリ初となる表彰台をプレゼント。これまでの最上位である2008年の5位(トゥルーリ)、鈴鹿での最上位6位(トゥルーリ)という記録を更新した。3位はハミルトン。
なお15番グリッドからスタートしたウイリアムズの中嶋一貴は1ストップ作戦に活路を見いだしたが、それも叶わず初の鈴鹿を15位で終えている。