F1第14戦韓国GPの決勝レースでトップ10入りを果たしたドライバーたちが、決勝の戦いを振り返った。
セバスチャン・ベッテル 決勝=1位
「長いレースだった。優勝できて本当に嬉しい。スタートが重要だった。ここでのスタートはいつも難しい。ポールからスタートすると、ロングストレートがあることが心配なんだ。でも幸いにも僕らはスタートでいいトラクションを発揮し、1コーナーからとてもうまく立ち上がっていくことができた。僕らはリードを保ち、そこからレースをコントロールすることに努めた。勝つことができてすごく嬉しい。チーム全体が強力なパフォーマンスを発揮したことに満足している。今後も一歩ずつ前に進み、一戦一戦、すべてのレースでマシンの最大限の力を引き出すことに集中していく。(日本GPでのタイトル決定について)考えないようにしているんだ。目の前のことに集中しようと心がけている。僕らがとても有利に見えても、フェルナンド(・アロンソ)にもまだチャンスはある。(タイトル獲得がいつ決まるのかは)全く気にしていない」
キミ・ライコネン 決勝=2位
「2位はまずまずだし、チームにとっていい結果だった。でも僕らは勝つためにグランプリに来ている。下位のグリッドから順位を上げていって上位争いをするというのは理想的な戦いじゃない。僕の予選はひどかったけれど、もっといいグリッドだったら違う結果が出ていたかというと、なんとも言えないね。終盤、セバスチャン(・ベッテル)の方が僕らよりも速かった。圧倒的にというわけではないけれど、間違いなく少し速かった。それに彼のタイヤの方が僕のよりも新しかった。いずれにしても彼をつかまえるのは難しかっただろうと思う。今日僕らはレッドブルに以前のレースの時よりは近づくことができたけれど、十分ではなかった。セーフティカーはツイていたと言う人間もいるかもしれないが、こういうことは有利に働くこともあれば、不利に働くこともある。セーフティカーより前に順位を上げていたのだし、僕らに速さがなかったらセーフティカーをアドバンテージにできるポジションにはいられなかっただろう。終盤僕らは後方に脅かされないだけの、十分以上の速さを示していた。だからこの結果は僕らにふさわしいと思う」
ロメイン・グロージャン 決勝=3位
「チームにとって素晴らしい結果だ。もちろん僕としては表彰台のもう一段上に立ちたかったし、あと2段上に立てたら最高だったけど、今日はそれはかなわなかった。ルイス(・ハミルトン)とはいいバトルができたし、僕らのペースは素晴らしかった。でも2回のセーフティカー出動によって優勝争いの可能性が失われた。リスタートの後、僕はキミ(・ライコネン)の前を走っていなければならなかったのに、自分のミスで彼を前に出してしまった。ターン15で少しワイドになって人工芝に乗ってしまった。あそこはとても滑りやすいんだ。それによって彼に追い抜きをかけられる結果になった。その後のターン3にはイエローフラッグが出ていたから、すぐにポジションを取り返すことができなかった。当然、僕の方がタイヤが新しかったので、チームに対してキミの前に出してくれるよう頼んだ。でも彼らは僕らを戦わせた。フェアプレーがチームの哲学なんだ。セクター2とセクター3ではダウンフォースが大幅に低下するし、僕らのマシンはパフォーマンスがほぼ同じだったから、オーバーテイクするのはかなり難しかった。2台揃って表彰台に上ったことに満足すべきだろう」
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=4位
「今日のレースはここまでの僕のキャリアの中でもベストのひとつだと思う。これまでもミラーで他のマシンを見ながら走ったことはあるが、今日は注意しなければならないマシンがとても多くて厄介だった。終盤はルイス(・ハミルトン)から大きなプレッシャーをかけられ、最終セクターが特にきつかった。僕はターン1からうまく立ち上がる必要があると分かっていた。今日の僕のマシンのトラクションは素晴らしかった。そのおかげで最初はフェルナンド(・アロンソ)、その後はルイスを相手にしのぎ切ることができた。僕らのマシンはストレートでもすごく速かった。スタートもうまく決まった。ターン1への進入ではアウト側になり、それはロスになったが、大きなスリップストリームを得てアウト側からオーバーテイクすることができた。今日これほど素晴らしいマシンを用意してくれたチーム全員に心から感謝したい」
ルイス・ハミルトン 決勝=5位
「僕らにとってあまりいい日ではなかった。僕らチームにふさわしいのはもっといいリザルトだと思う。スタートでグロージャンに抜かれ、その後抜き返すのは不可能だった。一日を通して、トラクションの優れた他のマシンに負けていたと思う。セカンドスティントではプライムタイヤで走ったが、右フロントが突然壊れた。そうなると温度が下がり、アンダーステアになり、ブレーキング時にロックアップすることになる。つまりペースを維持して走るのがすごく難しかった。レース中のその時期はとても苦しかったが、最後のピットストップに向けてターゲットとなるラップまで走りきらなければならなかった。セーフティカーの後、僕らのマシンはトラクションでザウバーに負けていた。僕らのマシンはミドルセクターでは強力だったが、ストレートで前の位置を維持できるほどの速さがなかった。フェルナンド(・アロンソ)とは素晴らしいバトルをしたが、それが5位と6位という下位の争いだったというのは受け入れ難い。とにかく今日のレースはうまくいかなかったが、鈴鹿で挽回するチャンスはある」
フェルナンド・アロンソ 決勝=6位
「難しいレースになるだろうことは分かっていたが、残念ながら金曜に感じていた懸念が正しかったと証明される結果となった。金曜の時点でロングランにおいてタイヤのデグラデーションの問題を抱えていたんだ。予選で他より速さがないことは驚きではなかった。それはシーズン初めから見られていることだからね。でも決勝でも速さがなかったという事実には驚いた。スタートで残念なことにザウバーを押さえ切ることができず、そのためにタイヤに大きな負担がかかるレースをすることになった。ターン3でフェリペ(・マッサ)に起きたことは僕には大きな問題ではなかった。あそこにはたくさんのマシンが密集していたから、誰かが彼に接触したのだろう。僕は彼を避けて、その後も走り続けることができた。僕のレースへの影響はなかったよ。その時点で僕はすでにヒュルケンベルグの後ろになっていたんだ。今は鈴鹿のことだけを考えなければならない。再び表彰台に上り、通常発揮していた決勝での速さを日曜に再び取り戻したい。そうすればまた上位争いができる。ポイント数においてベッテルとの差は大きく拡大した。でも何よりもパフォーマンスの差が大きいから、シーズン終わりまでの間に奇跡が起こることは期待できない。コンストラクターズ選手権2位の方が現実的な目標といえるだろう。でもひとつ確かなのは、僕らはまだ諦めたわけではなく、最後の最後までベストを尽くすということだ」
ニコ・ロズベルグ 決勝=7位
「今回も僕にとって本当に厳しいレースになった。ウイングにこんなトラブルが起きるなんて信じられなかった。ルイス(・ハミルトン)を抜き、表彰台を目指す予定だったのに、わずか2秒後にフロントウイングが壊れたんだ。本当にぞっとしたよ。すごく危険な状況になりかねなかったからね。でもエンジニアから無線でコントロールできる状態だと言われ、僕はある程度速さを保ったままピットに戻ることができた。残念だよ。今日はマシンのフィーリングが素晴らしく、バランスもよかった。決勝まではマシンの力を最大限に引き出す方法が分からなかったのに、その方法をやっと見つけたんだ。今シーズンは僕にとって浮き沈みが大きいけれど、1週間後に次のレースがあってよかった。僕らのマシンの競争力はとても高いし、僕のペースは表彰台に上ったマシンと比べても悪くなかった。だから今後のレースを楽しみにしている」
ジェンソン・バトン 決勝=8位
「1周目のターン3はいつも大混乱になることが予想されるけど、そんななかでアクシデントが起き、他のマシンにヒットされた。接触によってフロントウイングのエンドプレートが壊れた。前のマシンについていく分にはダメージの影響はそれほど感じなかったが、温度の面でかなり影響が出てきたので、4周目にピットインして新しいノーズボックスに交換した。それによって時間を少しロスした。プライムタイヤでのペースはとてもよかった。プライムでのふたつのスティントでとてもいい走りをし、戦いに残ることができた。2回目のピットストップでピットのライトがグリーンになり、また赤になった。ピットから出てすぐに大事をとって少し止まったんだ。後ろを見て何の問題もないことを確認し、問題なさそうだったから、また走り出した。この遅れを考えると、8位は悪くない結果だ。とはいえレース終盤に7位を失った時にはがっかりした。前の集団から遅れてDRSを使えなくなってすぐのことだった。タイヤの温度を取り戻せなくなり、終盤ニコ(・ロズベルグ)と戦うのは難しかった。彼のタイヤの方が僕のより10周分新しかったんだ。僕は最後のセットで33周を走った。その前のセットでは18周だったんだよ! ポイントが取れてすごく嬉しい。4ポイントは今日期待できたほぼ最大の結果だと思う」
フェリペ・マッサ 決勝=9位
「本当に難しいレースだった。1周目でいい結果を出すチャンスが消えてしまったんだ。あの時僕は集団の中を走っていた。全員がポジション争いをしていて、僕はイン側に入ってブレーキングを遅らせようとした。でもツイてないことに何台か遅いマシンがいて、メルセデスの一台(ロズベルグ)に突っ込むのを避けるために右に寄らなければならなくなり、結局スピンした。幸いマシンは無事だったが、その時点で後方からレースをしなければならなくなると分かった。でも何度かうまいオーバーテイクができたおかげでポイントを持ち帰ることができた。スタート直後の状況を考えればよかったと思う。今日の僕らには競争力が足りなかった。僕らより速いチームは少なくとも3チームか4チームあった。ザウバーもそのひとつだ。でもそれは主にコース特性によるもので、僕らのマシンは鈴鹿のコースとはここよりは相性がいいと期待している」
セルジオ・ペレス 決勝=10位
「今日の僕らにふさわしいのはもっと上位のリザルトだと思う。本当に不運だった。タイヤのデラミネーションについてだが、あのセットはすでにかなり走りこんだものではあったけれど、あの時、通常と同じ場所でブレーキングしたのに、ロックアップしてフラットスポットができた。あのセットでは21周を走っていたが、突然右フロントが破裂し、フロントウイングを破壊した。周囲に他のマシンがいなくてラッキーだった。チームは週末を通して大きく前進してきていたのに、このようなひとつの事故によってそれを台無しにされてしまい、本当に残念だ。フェリペ(・マッサ)とのことについては、僕らはポイントをかけて激しくバトルをしていた。彼がスペースをあけて僕が入り込む余地ができそうだと思ったのだが、彼は切り込んできた。僕は減速しようとしたけれど、軽く接触してしまった。2回目のアクシデントに関しては、僕があのコーナーの優先権を持っていたと思う。スチュワードが何のアクションも必要ないという判断をしてくれて喜んでいる。あれはレースの一部に過ぎなかった」