14日、東京・お台場の特設会場で開催されたモータースポーツジャパン 2013に、前日鈴鹿サーキットでF1日本グランプリを見届けたばかりのFIA国際自動車連盟ジャン・トッド会長が訪れ、日本のファンにメッセージを寄せた。

　JAF日本自動車連盟をはじめ、世界中の自動車連盟が加入するFIA。その会長として世界のモータースポーツを司る立場にいるトッド会長が、秋晴れのお台場に登場した。鈴鹿から東京にやってきたトッド会長は、2006年以来お台場で開催されているモータースポーツジャパンで、日本のファンに挨拶するために会場を訪れたのだ。

　そんなトッド会長を出迎えたのは、MSJ日置和夫理事長やJAF日本自動車連盟のとFIAウーマン・イン・モータースポーツの委員を務める井原慶子、そしてトッド会長が現役コドライバーだった時代、WRCラリー・モンテカルロでラウノ・アルトーネンと乗り込み3位表彰台を獲得したかつての愛機、ダットサン240Zだった。

　ニッサン／ニスモの協力で大切に保管されていた240Zを見ると、トッド会長は誰に言われるでもなくそのまま助手席に座り、懐かしそうに計器類を触るシーンも。その後写真撮影のために一度外に出たが、再び助手席に乗り込むと、井原のドライブでコースを1周。詰めかけたファンの声援に応えた。

　その後MSJの近藤真彦スーパーバイザーとともに登壇したトッド会長は、「今日、こうした素晴らしいイベントにご招待いただき感謝している。ふだんからJAFには大変御世話になっており、こうして多くの人々がこのイベントに集まり喜んでいる。日本には何度も来ているが、日本のファンの皆さんのモータースポーツへの情熱はいつも素晴らしく感じている。そして日本は人が素晴らしい。食べ物はコウベビーフが最高だね（笑）」と挨拶した。

「日本に来てトヨタやホンダ、ニッサン、スバルといった多くのマニュファクチャラーの代表にお会いしたが、これからF1にも多くのマニュファクチャラーが参入してくれることを期待している。また、ホンダは2015年にマクラーレンとともにF1にカムバックするが、伊東孝紳社長にお会いしていろいろ話してきた中で、これからF1がもっと盛り上がってくれることを期待している」

「また、日本のマニュファクチャラーはさまざまなカテゴリーに参戦してくれており、WECやGT、WTCCにも参戦している。できればラリーにも復帰してくれることを願いたいね（笑）。また、ここにいるケイコのような素晴らしいドライバーであるレディがFIAのウーマン・イン・モータースポーツに参画してくれていることも喜んでいる」

　トッド会長は、昨日決勝レースが行われたばかりの日本GPについて、「鈴鹿サーキットは、全世界の中でも最も素晴らしいサーキットだと思っているし、あのような青空の下で情熱的なファンに囲まれ、印象的な1日になったと思う」と感想を述べ、笑顔で会場を後にした。