「ちょっと、ホッとしました」
練習走行を終えた伊沢拓也からは、安堵の声が聞こえた。開幕戦の練習走行で結果は11位。決して、褒められた順位ではない。だが、公式テストでのトップから1.5秒のギャップ(順位は16位)が、今回の練習走行では0.5秒まで縮まった。
「本当、テストではクルマのバランスが良くなかったので、どうなっちゃうのかな、という不安があったけど、今日走って、少しずつタイムも良くなった。でも、予選は時間も変わって(現地時間夜20時のナイトセッション/練習走行は昼の12時に行われた)、今のセッションはあまり参考にならないと思う」
もっと行けそうな感触はある?
「そう、みんなが思っていると思います。今日の練習走行でもコンディションが前に走った時と全然違ってビックリしましたが、おそらく、夜の予選もまた違ってくると思います」
伊沢の口からは、慎重な言葉が続くが、表情は昨日までとはまったく異なる。予選でのシングルグリッドへの期待は、かなり高そうだ。
一方の佐藤公哉はセッション頭からコースインし、路面のできていない状態でのタイム。タイヤが1セットしか使用できない状況では、セッション後半にアタックするマシンの方がアドバンテージが大きくなる。練習走行は26位という結果に終わったが、ここから巻き返す可能性は十分にある。