モナコから約1カ月のインターバルを経て、GP2第4ラウンドが今週末オーストリアで行われる。舞台は初開催となるレッドブル・リンク。現コースは2011年オープンだが、1970〜1987年はエステルライヒリンクとして、1997〜2003年はA1リンクとしてF1オーストリアGPを開催していた。佐藤公哉はF3で走行経験があり、欧州育ちのドライバーにとって知らない場所ではないが、GP2マシンで走るのは全員にとって初めて。今季初めてGP2マシンを駆り、短時間で初コースを攻略するのに苦心している伊沢拓也にとっては好機となるかもしれない。

レッドブル・リンクの傾向と対策

 2本の長いストレートとタイトコーナーのテクニカルセクションを持つ、全長4.326kmのコンパクトなコース。予選ではトラフィックをどうすり抜けるのかもポイントになりそうだ。エンジン全開率は高く、ブレーキにも負担が大きい。
 今回ピレリが用意するタイヤは、プライム:ミディアム、オプション:ソフト。当地でGP2マシンがテストしたデータは存在しないため、シミュレーションにより最適と考えられるスペックを選んだという。タイヤにはハードブレーキングに耐える縦方向の剛性が問われるとともに、5〜6コーナーでは同時に横方向へも大きな力が加わる。
 サーキットは山間部にあるため天候も大きなファクターで、今季初のウエットレースとなる可能性もある。もし金曜日に行われるフリー走行と予選で雨に見舞われれば、各チーム走行プログラムの変更を余儀なくされるだろう。未知の要素が多いだけに初日から見どころは多い。

フロントランナーを追う第2グループ

 チャンピオンシップでは、開幕戦レース2とモナコのレース1を制して唯一2勝を挙げているジョリオン・パーマーが首位を堅持。チームメイトのステファン・リチェルミはモナコのレース2で今季初勝利を果たし、所属チームのDAMSはモナコを完全制覇してチームランキングのトップ。これに30点差で続くカーリンと、ジョニー・チェコットを擁するトライデントが序盤の“3強”チームと言っていいだろう。
 トップグループを追うポテンシャルを秘めているのが、佐藤の所属するカンポス・レーシングと伊沢のARTグランプリだ。佐藤のチームメイト、アルサー・ピックは表彰台こそないもののポイントを積み重ねてルーキー最上位のランク5位。ARTはストフェル・バンドーンが初戦で優勝して以来ポイントの獲れないレースが続いているが、ハマれば勝てることは証明済み。ドライバー力は言うまでもなく、ワンメイクカテゴリーだけにチーム力、エンジニア力が明暗を分けるGP2で、日本勢の環境は決して最悪ではない。

『F1速報』はオーストリア現地から最新情報をレポート。6月26日(木)発売のオーストリアGP号では、連載「伊沢拓也のGP2参戦記」をお届けする。

2014年 GP2 オーストリア タイムスケジュール
フリー走行/6月20日(金)12:00〜12:45(19:00〜19:45)
予選/6月20日(金)15:55〜16:25(22:55〜23:25)
決勝1(40周)/6月21日(土)15:40〜(22:40〜)
決勝2(28周)/6月22日(日)10:35〜(17:35〜)
※( )内は日本時間

GP2公式サイト
http://www.gp2series.com/

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