日本GPでセバスチャン・ベッテルのレッドブル離脱が発表されたものの、肝心のベッテルの移籍先については発表がないまま1カ月が過ぎようとしている。ベッテルのフェラーリ入りはクリスチャン・ホーナーもほのめかしたように公然の秘密だ。

 では、なぜフェラーリはベッテル加入を発表できないのか。それは、フェルナンド・アロンソとの契約をまだ解除していないからと考えられる。フェラーリ側から契約解除すれば、違約金が発生する。そこでフェラーリはアロンソ、またはマクラーレン側がアロンソを獲得したと発表するまで待ち続けているというのがイタリア・メディアの見方である。

 アメリカGPを訪れていた新井康久氏(本田技術研究所取締役専務執行役員四輪レース担当)は、2015年のドライバーに関して、次のように語っている。

「マクラーレンと2015年のドライバー選定に関して、話し合っていることは確かです。鈴鹿でベッテルの発表があり、今ストーブリーグはドミノ倒しのようになっていて、それが収まるまでは決まらないと思う。おそらく落ち着くのは最終戦アブダビGPあたりでしょう。ホンダとしては、勝とうと思ってレースするわけだから、速いドライバーが良いけど、そういうドライバーは誰もが欲しいはず。それに、そこにはお金が絡んでくるし、将来性も考慮しなければならない。そう考えていくとパーフェクトな人というのは、なかなかいない。だから、マクラーレンとは、あらゆる可能性に対して、オープンなスタンスでドライバー選びをやっていくことで意見は一致しています」

 このようにホンダの新井総責任者も、ベッテルのレッドブル離脱の余波がマクラーレンのドライバー選びに影響していることを認めている。ベッテルの余波を最も強く受けているのは、アロンソだ。そして、決着を見るのは最終戦アブダビGPではないかと新井総責任者は推測している。これを裏付けるように、某イギリス人メディアもマクラーレンが発表するXデーは「アブダビGP」だと語っている。おそらくアロンソの契約に、シーズン終了後であれば成績によって契約を解除できる条項があるのではないかと、そのイギリス人メディアは推測する。

 ちなみに新井総責任者は、イタリアのメディアが「アロンソがマクラーレンとではなく、ホンダと契約した」というニュースを流した件について、次のように語っている。

「そのニュース、私も見ました。でも、そんなことあるわけない。全否定。だって、ホンダが単独で契約なんてしたら、この世界から総スカンを食らってしまいますよ」

 ホンダのパワーユニットがテストで走るのか? そして、マクラーレンの発表はあるのか? 最終戦が行われるアブダビは、タイトル争いが決着する地というだけでなく、日本人ファンにとって大いに注目すべき場所となりそうだ。

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