モータースポーツ界で栄光を築いてきたホンダの過去の名車たちを振り返る『Honda Racing Gallery』。F1はもちろん、インディカーやスーパーGTマシンも登場するギャラリーに、あのマクラーレン・ホンダMP4/7Aが登場した。
このマクラーレン・ホンダMP4/7Aは、1992年のF1世界選手権に登場したマシンで、アイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーがドライブ。マクラーレンとホンダの長い蜜月の中での最後のマシンだ。
この1992年という年は、91年にハイテクデバイスを満載して登場したウイリアムズ・ルノーFW14がFW14Bに進化を遂げ、リアクティブサスペンションやトラクションコントロール、ABSなどを武器に、ナイジェル・マンセルを擁し爆発的なスピードをみせた年。1980年代から続いたエンジンパワーウォーズに勝利してきたマクラーレンとホンダは、トータルのシャシーパッケージにおいて後れをとり、シーズン序盤にウイリアムズに完敗を喫する。
第3戦ブラジルから前倒しで投入されたこのMP4/7Aは、新たにメス型成形を採用したシャシーに、ホンダRA122Eエンジンを搭載。また、電子制御スロットルの“フライ・バイ・ワイヤー”システムを搭載したり、フルアクティブサスペンションに挑戦するなど、ハイテクデバイスを積極的に採用した。
結果的にシリーズではウイリアムズ&マンセルに敗れることになるMP4/7Aだが、マクラーレン・ホンダ最後のマシンとして、そして1992年モナコGPでのセナvsマンセルの名勝負を生んだマシンとして、記憶に残るマシンと言える。
