今回のスーパーフォーミュラ第2戦岡山は燃料流量が90kg/hに制限される。開幕戦鈴鹿の95kg/hから5kg/h減ることになるが、昨年はこの90kg/hの流量制限で結果的にホンダ陣営が好リザルトを残した。開幕戦では3位走行中の山本尚貴がファイナルラップで大きな白煙を上げてエンジンブローリタイアという、ショックな終わり方となったが、今回の岡山ではどうか。ホンダの佐伯昌浩スーパーフォーミュラ・プロジェクトリーダーに聞いた。

 ホンダ陣営はこの岡山で2台、エンジンを載せ替えることになった。開幕戦の鈴鹿の決勝前のウォームアップランでスモークを上げて、レースに出走できなかった塚越広大と、ファイナルラップでブローしてしまった山本尚貴のマシンだ。2台とも、佐伯氏によるとトラブルの原因はタービンなのだという。

「山本の方はタービン系のほんの小さな部品がトラブルで、エンジン本体に影響してしまった。塚越の方も(タービンのトラブルがもとで)エンジン本体がダメになってしまった」

 タービンはホンダ、トヨタとも共通パーツのため、改良を行うことができない。

「ですので、今回からは使い方を変えて行かなければいけないと思っています」

 ただ、載せ替えるエンジンはあくまでスペアのエンジンで、アップデートは加わっていないという。そのため、4戦使用が義務付けられている現行エンジンだが、今回はグリッド降格などのペナルティも課されない方向のようだ。

 だが、それはつまり、トラブルの根本的な部分が解決したわけでないことを意味している。共通パーツであるタービンに関してはドライバー、マシンによってピークパフォーマンス時の信頼性も、関連パーツのライフも製品誤差が大きいとのこと。ホンダ陣営としてはライフなどのマージンを大きく取ることで対応するのだという。

「速さに関してはともかく、前回はトラブルも出ましたので信頼性の面でデータを見直して、抑え気味とは言わないですが、使い方を見直して戦いたいと思っています」

 今週末の岡山は7年ぶりのレース開催となるが、ホンダ陣営としてはパフォーマンス自体には手応えを感じている。

「鈴鹿で良かったので、おそらくこの岡山も行けるんではないかと思っています。岡山は特別に違ったセッティングが必要というわけでなさそうなので、他のサーキットと同じように、これまでどおりのセッティングで行けると思っています」

 前回の鈴鹿で山本が予選PPを獲得したように、ホンダ陣営の速さが蘇ったのは間違いない。だが、パフォーマンスを上げた分、信頼性が下がってはレースで結果は出せない。そのトレードオフの関係をどう乗り切るのか。ホンダ陣営にとっては得意の鈴鹿、そしてこの岡山でトヨタ陣営の連勝を許すわけにはいかない。

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