WEC世界耐久選手権第7戦上海は9日、上海インターナショナル・サーキットで6時間の決勝レースが行われ、アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ/マルセル・ファスラー組の1号車アウディR18 e-トロン・クワトロが残り30分での7号車トヨタTS030ハイブリッドとのバトルを制し今季3勝目を挙げた。

 晴天とはいかないまでも日差しの降り注ぐなか迎えたスタートでは、前日の予選でポールポジションを獲得した7号車トヨタがホールショットを決め、ハイペースで周回していく。予選3番手の8号車トヨタも、10周目に2番手の1号車アウディを料理し、チームメイトの背中を追っていった。

 その後、両陣営とも1度目のストップを終えると、8号車トヨタが首位に浮上。7号車トヨタが続き、トヨタ勢2台がハイペースで走行していく。対するアウディ勢は、1号車がトヨタ勢にラップダウンされないよう食らいついていく形になるも、2号車アウディはペースが上がらず、上位3台にラップダウンされる苦しい展開となった。

 8号車トヨタは、レースの折り返しを迎えて以降も首位をキープ。ただ、4時間30分が経過したタイミングで突如ピットインすると、フロントサスペンションにダメージがあったようで、そのままガレージに。その後もコースに復帰することなくレースを終えてしまった。

 これにより、優勝争いは7号車トヨタと1号車アウディの戦いに。それぞれ40秒以内の差を保ちつつ、ピットインの度に首位を交換し合う展開となる。そして終盤、残り時間30分を前にまずは1号車アウディがタイヤ交換も含むピットストップを行うと、数分後に続いた7号車トヨタはスプラッシュ&ゴーを採用。7号車トヨタが1号車アウディのわずか前方でコースに復帰し、レース開始から5時間30分を経て、コース上でのテール・トゥ・ノーズの戦いが展開されることになった。

 ただ、新しいタイヤを装着する1号車アウディに対し、給油のみの7号車トヨタは防戦を強いられる。1号車アウディを駆るトレルイエは、7号車トヨタのアレックス・ブルツがLMP2クラスのマシンをパスしようと若干膨らんだ隙をついて先行。
 最終的には、これにより首位に躍り出た1号車アウディが、トヨタの逆転を許さずトップでチェッカーを受けた。1号車にパスされて以降は若干差を広げられた7号車トヨタが2位。2号車アウディは3位に入り、年間のドライバーズタイトルを決めた。

 LMP2クラスでは、ポールポジションからスタートしたGドライブ・レーシングのロマン・ルシノフ/ジョン・マーティン/マイク・コンウェイ組の26号車オレカ03・ニッサンが優勝。26号車オレカ03・ニッサンは、序盤から後続を引き離す走りを見せていたものの、中盤にリヤのボディワークの交換をすることになりタイムをロスして2位に後退。ただ、最後はライバル勢よりストップ回数を1回減らす作戦を採用して見事優勝を飾った。

 LM-GTEプロクラスでは、ステファン・ミュッケ/ダレン・ターナー組の97号車アストンマーチン・バンテージが終始レースをコントロールする形で優勝。僚友の99号車が2位に続き、アストンマーチン・レーシング勢がトップ2を独占した。小林可夢偉のドライブするAFコルセの71号車フェラーリ458は、レースの大半で3番手につけていたが、終盤にポジションを落としクラス5番手でレースを終えている。

 LM-GTEアマクラスでは、中盤まで95号車アストンマーチンが大差をつけて首位を走行していたものの、コース上で突如ストップし、リタイアを余儀なくされてしまう。これにより、首位に躍り出た8スター・モータースポーツの81号車フェラーリがポジションを守り優勝を飾っている。

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