WEC世界耐久選手権は15日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで第7戦の決勝レースが行われ、アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組の7号車トヨタTS040ハイブリッドが今季初勝利を挙げた。また、今回のレースを終えて、8号車トヨタを駆るアンソニー・デイビッドソンとセバスチャン・ブエミがドライバーズタイトルを決めている。
11月に予定されているWEC”3連戦”の2戦目となるバーレーン戦。8号車トヨタのデイビッドソンとブエミはドライバーズランキング首位、このレースで5位以内に入れば自力戴冠という状況でレースを迎えた。
前日の予選では、14号車ポルシェ919ハイブリッドがポールポジションを獲得。8号車トヨタ、20号車ポルシェと続く形となった。
迎えた6時間の決勝レースでは、スタートでポルシェ20号車ポルシェが2番手を奪うも、8号車トヨタはコース上でポジションを奪い返して2番手でファーストラップを終える。その後、開始から10分というタイミング8号車は前方の14号車ポルシェも捉えて首位に浮上する。
トヨタの2台は、開始30分というタイミングで導入されたフルコースイエローの際に、終盤のスプラッシュ分を消化するような形でピットイン。一旦首位を譲るものの、再びコース上でポジションを奪取。8号車、7号車の順で、トヨタの2台がレースをリードし、優位にレースを進めていく。
ただ、開始から約1時間45分というタイミングで、8号車トヨタがオルタネーターのトラブルによりガレージへ。約30分間の作業を受けてコースへ復帰するが、大きく遅れを喫することに。勝負は7号車に託される形となる。
一方、この週末速さを見せている14号車ポルシェは、最後まで7号車トヨタを追うも、終盤20分にスプラッシュ&ゴーを行ったこともあって逆転はならず。最後は7号車トヨタが後続に50秒の差をつけてトップでチェッカー。今季初勝利を挙げることとなった。
2〜3位表彰台に14号車、20号車のポルシェ勢が入り、アウディR18 e-トロン・クワトロ勢は2号車、1号車の順で4位〜5位に。8号車トヨタは一時最後尾まで後退するも、総合11番手でレースを終えることとなった。
この結果、ドライバーズランキング2位につけていた2号車アウディがこのレース4位に終わったこともあり、8号車トヨタのデイビッドソンとブエミのドライバーズタイトルが決定。トヨタがWEC参戦後初のタイトルを獲得することとなった。マニュファクチャラーズランキングでは、トヨタが40ポイントのリードを保って首位につけているものの、勝負は2週間後のサンパウロ戦に持ち越されることとなった。
ハイブリッド非搭載のLMP1-Lクラスでは、13号車レベリオンR-One・トヨタがクラス優勝。レースの大半をリードしたものの、終盤にオルタネーターベルトやバッテリーの交換のためにピットインした12号車レベリオンが2位に続いた。ロータスの9号車CLM P1/01・AERは、スタート直後にギヤボックスのトラブルによりストップし、レースを終えている。
LMP2クラスでは、クラスポールからスタートしたG-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2・ニッサンが序盤の接触により大きく後退。これにより、KCMGの47号車オレカ03R・ニッサンとSMPの27号車オレカが首位争いを繰り広げることとなる。ただ、27号車オレカは、1号車アウディとの接触によりペナルティを受け後退したほか、マシンへのダメージもあり残り15分というところでガレージへ向かい戦線離脱。KCMGの47号車が優勝を飾り、2位はSMPの37号車オレカに。そして3位には、井原慶子もドライバーを務めるOAKレーシングの35号車モーガン・ジャッドが入り、井原はWEC富士に続き今季2度目の表彰台に登ることとなった。
LM-GTEプロクラスでは、アストンマーチン・レーシング(AMR)の97号車アストンマーチン・バンテージとの接戦を制し、AFコルセの51号車フェラーリ458イタリアが優勝。ジャンマリア・ブルーニとトニ・バイランダーがGTクラスのドライバーズタイトル獲得を果たした。また、3位に71号車フェラーリが入ったことで、AFコルセはLM-GTEプロクラスのチームタイトルも決めている。ただ、同じくフェラーリが首位につけるGTマニュファクチャラーズタイトルに関しては、次戦に決着が持ち越されている。
LM-GTEアマクラスでは、95号車アストンマーチンが今季4勝目を挙げ、デイビッド・ハイネマイヤー-ハンソンとクリスチャン・ポウルセンがアマクラスのドライバーズタイトルを獲得するとともに、AMRもチームタイトルを決めている。
WECの今季最終戦サンパウロは、11月28日〜30日に開催される。