WRCラリーGB、イベント後記者会見の内容
(抜粋)
●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ミッコ・ヒルボネン=MH(MスポーツWRT)
2位:ヤルモ・レーティネン=JL(MスポーツWRT)
3位:マッズ・オストベルグ=MO(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
3位:ヨナス・アンダーソン=JA(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ヨースト・カピート=JC(チーム代表、フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
Q:
セバスチャン、今季最後の勝利は君のものだ。チャレンジングなイベントを終えた今の気分は。
SO:
ラリーGBらしく3日間通して難しいコンディションだった。土曜日の午前中にはリードが広がったけれど、それでもリラックスする余裕はなかった。インタビューでも繰り返したように、それでも難しかったんだ。アンドレアス(ミケルセン)がミスをしたのも見ていたし、誰もがプッシュしていた。この勝利は本当にうれしいよ。
Q:
この週末のコンディションはどれだけタフだったのか。特にセカンドループは。
SO:
自分が経験した中では最悪ではなかった。初めて走った2008年には、アイスやスノーもあったし、ハードタイヤしかなかったから大変だった。今回のように3日間通してトラブルがないといいね。ヤリとハードにプッシュしていた。このコンディションでハードにプッシュしていたんだけど、たぶん安全パイでドライブしようとする方が難しいかもしれない。いいバランスを見つけるのが本当に大変だ。遅すぎてはフィーリングを失うし、セッティング面で手応えがなければ何もうまく行かない。自分との戦いなんだ。
Q:
今ではラリーGBが好きになってきたか。
SO:
去年から好きになり始めていたよ。スタート前にも、ステージはとても美しいし素晴らしいイベントだって言ったし。でも同時に大変なチャレンジだ。でもこれで2勝したし、いい関係が築けたかな。愛のような感じだね!
MH:
たぶんもう、ロードセクションで家探しを始めているんじゃないの!
Q:
ジュリアン、今季最後の優勝おめでとう。今の気分は。
JI:
セブも言ったように、すごくエネルギーを使ったし集中もした。やっと家族や友人と一緒に過ごす時間が取れるよ。満足した気分が多い。2回目のタイトルを獲得したし、どんなステージでも勝てることが証明された。来季の開幕は目前だ。この数日間は楽しむよ。
Q:
ミッコ、最後のWRCイベントが終わったが、今週末は素晴らしいバトルを展開して総合2位を獲得した。WRCのキャリアを終える最高の形ではないか。
MH:
とてもいい気分だよ。その通り、この上ない終わり方だ。難しいコンディションで他のドライバーと争うのは、ラリーで一番面白い点だ。本当にアメージングだよ。五ルクスワーゲンとセブとは戦えなかったけど、彼らの走りもアメージングだった。アンドレアスとヤリマティは今年小さなミスはあったけど、彼らも手強いドライバーたちだ。マッズもがんばって! とにかく、この週末の内容に関しては、本当にハッピーだよ。
Q:
今朝、最後にレーシングスーツを着た時、戦う準備はできていたか。
MH:
No! 何をしていいか分からなかったよ。2位争いをしたかったけど、でもどうしてもポディウムでフィニッシュしたかった。午前は特にサービスの後はトリッキーだった。最後のサービスに行った時、みんなにお別れを言ったんだ。ベストのリズムをつかむことはできなかったけど、終わりよければすべてよしだ。
Q:
気持ちが込み上げてきた?
MH:\fたぶんサービスを離れた時は少しね。ちょっと不思議な感じだった。それほど感傷的にはなっていなかったけど、集中できていなかった。自分がやらなくてはならないことが、頭に入っていなかった。
Q:
ヤルモにはコ・ドライバーズ選手権の3位をプレゼントしたことになる。このことについてはハッピーか。
MH:
とてもハッピーだよ! これで家で休日を始めることができる。
JL:
彼が僕のために飛行機代とホテル代を払ってくれるよ!
Q:
もうWRCには参戦しない。これは今でも正しい決断か。
MH:
ハッピーだよ。来年が待ち切れない。ラリーや仲間に会えなくなるのは寂しくなるけど、子どもたちと一緒に時間を過ごせることが待ち切れない。これは間違いなく正しい選択だよ。
Q:
最後のステージでは何か違うことを行ったか。
MH:\fいつもと変わらないけど、初めてヤルモがスプリットを読んでくれて言ったんだ。「マッズと5秒差?よし、順調だ!」僕は「あー、そうじゃないんじゃないかな」と思ったけど、実は十分な差だったんだ。
Q:
ヤルモ、素晴らしい結果だ。最後のイベントでポディウムに上がった気分は。
JL:
素晴らしいバトルだったし、目標通りだった。アメージングな気分だよ。
Q:
今朝はサービスで拍手で迎えられた。その時の気分は。
JL:
最後のモーニングサービスだと思うと妙な気分だったけど、いい気分でもあった。早朝のモーニングコールはこれが最後だからね!! 最後の朝を迎え、とても緊張していたし、通常の気分じゃなかった。走り始めたら、落ち着いた。接戦だったから、クリスにトラブルが起きるまで何かを考える余裕はなかった。最後のステージは難しかった。ミッコはどこがブレーキングポイントかよく分かっていなかったし、僕もノートがよく分からなかった。マッズの5秒遅れのミッコを喜んでいたわけじゃなかったんだけど!
Q:
ラインを越えた時、何と声をかけた?
JL:
よく思い出せないが、ミッコに感謝を伝えた。僕たちとグラベルクルーの間ではあることを言ったけど、訳すのは難しいね。フィンランド語でよく、ロングコーナーの最後のラインのようなことを言うんだけど、今回グラベルクルーは、最後の右コーナーが最後のコーナーだよというようなことを言った。
Q:
ラリー界で過ごした時間の思い出になるものは何かあるか。
MH:
この13年間の全てが思い出だね!
JL:
自分のキャリアを終えて、WRC167戦に参戦して、初めてドーピングテストもやったよ!だから書類仕事だね。
MH:
本当にFIAの人だった? 熱狂的なファンが記念に持ち帰ろうとしたんじゃないの?
Q:
マッズ、素晴らしいリザルトだ。いいペースを見せていた。
MO:
いい週末だった。自分たちの出来にはかなり満足しているよ。そりゃクリスにトラブルが起きたから順位が上がったのだけど、昨日は僕たちにもトラブルが起きて2位から脱落した。なぜかこのことに関しては悪い気はしないし、結果に見合う走りができたと感じている。
Q:
金曜日の午前はすぐにコンディションに対応していた。どうやったのか。
JA:
僕たちはウェールズが大好きなんだ! これに尽きるよ。
Q:
来季のシートを確保するために全力は尽くしたか。
MO:
そうだね。
Q:
君はいつも言葉少ない男だ。
MO:
そうだね。その前に、僕はミッコがラリーに尽くしてくれたことに感謝を伝えたいよ。ミッコは、だぶん僕がWRCに来て最初に話したトップドライバーだと思う。それからとてもいい友人になった。これまでの時間をとても感謝しているし、これから彼と楽しむことができないと思うと残念だ。彼とは素晴らしい時間を過ごしたし、これからの幸運を祈っている。
Q:
彼には「そうだね」以上のことも言う?
MO:
そんなことはないけど、彼は質問を続けるんだよ!
Q:
ここからの数週間は何をするのか。テストの予定はあるのか。
MO:
たぶんテスト。実は次の日曜日には妻と予定があるんだ。
MH:
そういうことはちゃんと覚えておかないとね。
Q:
ヨナス、自分のパフォーマンスについてどう思うか。
JA:
いい週末だったし、リザルトもよかった。コンディションはとてもトリッキーだったが、ウェールズだからね。もし誰かに喜んで2位をプレゼントするなら、それはミッコとヤルモだ。
Q:
シトロエンに残る自信はあるか。
JA:
そうだね。話の糸口がない?そんなことは僕に聞かないでくれよ!
Q:
十分なペースを見せられた手応えはあるか。
JA:\fそうだね。いいペースをたくさん見せられた。テクニカルの問題で苦戦したラリーもあるし、僕らがミスをしたこともあるが、初シーズンとしてはいい内容だったし、来年にはいい形でつなげられる自信があるよ。
Q:
VWにとって最高のシーズンとなった。ヨースト、今の気分は。
JC:
まずは、ミッコとヤルモに感謝を伝えたい。私は2006、2007年にフォードにいて、世界タイトルを獲得した。素晴らしいシーズンだった。ミッコが初めてのオーストラリアで勝った時もフォードにいた。とても印象的だったし、いつまでも忘れられないよ。2人からはたくさんのことを学んだし、彼らも私から学んでくれたと思う。人生の中での素晴らしい時間だったし、彼らの将来が素晴らしいものであることを願っている。必ずまた会えるよ。
フォルクスワーゲンとしては、今年は13ラリー中、12勝とこれ以上ないほどの内容だった。唯一優勝を逃したのがドイツだというのは、残念だ! まだ改良の余地があるということだ! 素晴らしいシーズンになった。ドライバーズ選手権では1、2、3位を独占し、コ・ドライバーズでは1、2、4位を獲得した。来季は同じラインナップで変更はなく、とても楽しみにしているが、まずはみんな、何日か休息が必要だ。
Q:
今年はいくつもバトルがあった。来季はもっと難しくなるか。
JC:
世界選手権で勝つことが簡単になることはあり得ない。どんなスポーツでも。速さを持つ若手ドライバーがたくさん登場しているし、来季はもっと激しいバトルがあると思う。
SO:
最後に言わせて欲しい。この機会に、ミッコとヤルモにお別れを伝えたい。これまでの13年間と同様に、これからの人生を満喫して欲しい。また会おう!
JC:
またメディアのみなさんにも感謝したい。メディアの写真や記事がなければ、私たちがやってきたことを誰にも見てもらえない。ラリーを世界中に伝えるためには、メディアが必要なんだ。心から感謝している。来年、また会えるのを楽しみにしている。
