フェラーリのテクニカルディレクター、ジェイムズ・アリソンは、優勝する力があるマシンを作るためには、フェラーリはエンジニアたちに独創性を発揮するための余裕を与える必要があると語った。
フェラーリは約1年前のスペインGP以来優勝から遠ざかっており、第6戦終了時点でポイントリーダーであるメルセデスと162ポイント差のランキング3位にとどまっている。
元F1チャンピオンのアラン・プロストは先週、レッドブルやメルセデスに太刀打ちできずにいる老舗チームのフェラーリやマクラーレンに対し、F1へのアプローチを再考する必要があると苦言を呈した。
昨年末にフェラーリに加入したアリソンは、フェラーリチームはエンジニアたちが失敗を恐れず革新的なことを行えるようなプランを立てる必要があると語った。
「高い競争力を発揮する上で、創造性と独創性は非常に重要な要素だ」とアリソン。
「しかし魔法のような手段があるわけではない」
「マシンに創造性を取り入れるには、まずは計画を立て、スタッフがそれぞれの創造力を発揮できるような余地を与えなければならない」
「非常に厳しい締め切りを設定し、追い詰められた状態で作業を行うことを強いては、彼らが新しいアプローチを採る方法を考える余裕がなくなる。うまくいくと分かっていることを行うという選択肢を選ぶしかなくなるからだ」
「フェラーリには優秀な人材があふれている。技術スタッフの経験と質は他のどのチームにも負けないだろう。重要なのは、彼らが何か変わったことをする余裕を与え、それを奨励することだ。もし失敗しても、バックアッププランを用意できる時間の余裕があることが大事だ」
アリソンは、彼がチームに加入して以来、フェラーリは大きく変化しているが、その成果が表れるにはある程度時間が必要だと語った。
「この世界では現状に甘んじていては敗北する」とアリソン。
「私が加入して以来、体制的な変更が多数行われてきた。我々は物事を改善するためにどうすべきかを理解しており、今後も変更を行っていく」
「私がやろうとしていることの重要な基礎の一部はすでに数カ月前に敷かれ、それがこれから徐々に結果を出してくることを期待している」